製造業における企業間の研究開発競争が激化する中で、製品のライフサイクルはますます短命化する傾向にあります。そのため、新製品を市場に投入しても、安定した利益を確保できる期間が短縮され、研究開発投資の対価が十分に得られないことが予想されます。特許出願動向を見ても、日本の国際出願(PCT出願)数は米国に次いで世界第2位(2007年推定値:27,731件)(*1)にあるものの、研究開発(R&D)投資の生産性には課題がある状況となっています。 特に日本の製造業界においては、研究開発者優位の文化が根付いており、「研究開発部門はブラックボックスになりやすい」「市場や事業の視点に乏しい研究開発をしていて、特許や論文の件数は多くとも、収益に結びつかない」と言われることがあります。経営者側としてもその事実を定量的に検証することができず、結果として従来のガバナンスのまま研究部門を野放しにしていることも多く見受けられます。しかしながら、その具体的な解決策を講じることは大変難しく、研究開発費を一様に絞ればよいかと言えば、それも違うことは明らかです。 本号では「研究開発ポートフォリオ評価システムの導入による研究開発マネジメント 第2回 研究開発ポートフォリオの事例」と「業種別研究開発活動の現状に関する比較と分析」から効果的な研究開発マネジメントを実践するためにはどのような点に留意すべきかを解説させていただきました。今回ご紹介させていただきました内容が、貴社の研究開発の効率化とイノベーションの促進のための一助となれば幸いです。 *1:「Unprecedented Number of International Patent Filings in 2007(WIPO:2008年2月)」