| トピックス 2008.3.26 |
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国際商業会議所における信用状統一規則の生成と展開
― UCP600の発効・外国為替実務への影響と留意点 ― |
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| 金融インダストリーグループ |
改発 恭子 |
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老田 さゆり |
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はじめに
国際商業会議所(ICC/International Chamber of Commerce)では、2006年10月に「1993年改訂版荷為替信用状に関する統一規則および慣例」(UCP500)を13年振りに改訂し、「2007年版改訂版荷為替信用状に関する統一規則および慣例」(ICC Uniform Customs and Practice for Documentary Credits 2007 Revision(UCP600))が2007年7月より発効している。一般に信用状統一規則と呼ばれるこれらの規則は、1919年に設立された民間企業の世界ビジネス機構であるICCにおいて、国際的に錯綜を極めていた信用状銀行実務関係の問題を解決することを目指し、1933年に初めて取り纏められたものである。以後、5回の改訂を経て、今回のUCP600に至っている *1。
本稿では、ICCのかかる活動の取組みを概観し、今回改訂された信用状統一規則(UCP600)の銀行外国為替実務に与える影響を考えてみたいと思う(以下、改正前のものをUCP500、改正後のものをUCP600と称する)。
なお、本稿において、意見にわたる部分は筆者の個人的見解であり、また、すべての論点を網羅するものではない。また、本稿は、一般的な情報であり、法的助言の提供を目的とするものではないことをお断りしておく。
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国際商業会議所日本委員会『ICC荷為替信用状に関する統一規則および慣例(UCP600)2007年改訂版』「英和対訳版の出版にあたり」(国際商業会議所日本委員会、第1刷、2007)参照。 |
1.信用状統一規則の法的位置付け
荷為替信用状(以下、信用状という)は、買主(発行依頼人)による買主の取引銀行(発行銀行)への信用状発行依頼書により、売主を受益者と定めて発行される。当該発行依頼書中において、発行依頼人は発行銀行に対して信用状条件を指定する。信用状そのものは、発行銀行と受益者との間の契約であり、受益者に対する主たる債務者は発行銀行である(UCP600第2条第8文、第7条b.)。UCP600では、「荷為替信用状の本文がこの規則に従うことを明示している場合には、荷為替信用状に適用される規則である。この規則は、信用状によって明示的に修正または除外されている場合を除き、信用状のすべての当事者に対して拘束力をもつ。」(同第1条)と規定する。他方、発行依頼人と発行銀行との間の権利・義務関係を規定するものとして、1988年に全国銀行協会連合会が作成した「信用状取引約定書ひな型」*2 がわが国ではこれまで一般的に使用されているが、本約定書中には「この約定書に定めのない事項については、ICC所定の『荷為替信用状に関する統一規則および慣例』に従う」旨の規定がある(信用状取引約定書ひな型第21条)*3。
したがって、これら各契約間における優先条項の規定により、信用状条件に関することで、発行依頼人と発行銀行との間で明示の合意がなされなかった事項は、信用状によって明示的に修正または除外されている場合を除き、信用状統一規則の定めに従い処理される。信用状統一規則は、信用状発行依頼書および信用状中に、信用状統一規則に従うことを示す文言が明記されることにより契約の一部となり、関係者を拘束するものとなる。わが国には信用状統一規則に準拠しない信用状は存在せず、信用状が信用状統一規則に準拠することは商慣習となっていることを認めた判例 *4 もある。
しかしながら、信用状統一規則は、基本的には、ICCという私的な国際組織による貿易のための私的規則であり、この規則が「信用状によって、明示的に修正または除外されている場合」には、その適用は当事者には及ばない(UCP600第1条第2文)。また、国際標準銀行実務(international standard banking practice)に依拠する旨の規定(同第2条第5文、第14条d.)が存在することから、ある地域の銀行の実務慣習等が適用されることで、結果として必ずしも世界中で統一された規則とならないケースもありうる。
ここに信用状取引に係る以下の原則・法理が存在する意義があるとされる。信用状統一規則が任意法規性を有するとしても、それが信用状取引とは言えないものにまで変容されることは、信用状統一規則は予定していないと考えられている。
1)独立抽象性の原則 *5
信用状に基づき発行銀行が受益者に対して負担する債務は、原因関係である受益者・発行依頼人間の売買契約上の債務から独立の債務である。発行銀行は、受益者から信用状条件に一致する船積書類の呈示があるかぎり、発行依頼人、発行銀行・発行依頼人間に生じた事由にとどまらず、受益者、受益者・発行依頼人間に生じた事由をもってしても自己の受益者に対する義務を免れない。(UCP600第4条)
2)書類取引性の原則
銀行は、書類を取り扱うのであり、その書類が関係することのできる物品やサービスまたは履行を取り扱うのではない。発行銀行は、原因契約書、見積もり上およびこれと類似の物のコピーを信用状の不可欠な一部として信用状に含めようとする発行依頼人の試みを差し控えさせるべきである。(UCP600第5条、第4条b.)
3)信用状条件厳格一致の法理 *6
発行銀行は、受益者またはその指図人(為替手形の割引銀行)から、信用状条件と文面上厳格に一致しているとみられる船積書類の呈示がなされた場合にのみ、それと引き換えに、為替手形の支払いもしくは引受けをなす義務を負う。発行銀行は発行依頼人が原因関係である売買契約の目的を達成できるか否かという原因関係上の配慮を加えてはならない。(UCP600第14条、第15条、第16条)
なお、これらの法理を逆用すると詐欺(偽造・権利濫用等)が可能となることから、銀行にとっては、国際銀行実務、判例およびICCの公表物(Position Paper, decisions等)の動向に注視し、予防手段をとることが重要になる。
| *2 |
現在は、全銀協のひな型としての位置づけ自体は廃止されている。 |
| *3 |
なお、為替手形割引依頼人(売主)と割引銀行との間の権利・義務関係を規定する「外国向為替取引約定書ひな型」にも同様の条項がある(外国向為替取引約定書ひな型第21条)。 |
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東京地判昭和62年5月29日。 |
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江頭憲治郎『商取引法〔第4版〕』179−180頁(弘文堂、第4版第1刷、2005)。Sztejn v. Henry Schroder Banking Corp., 31 N. Y. S. 2d 631(1941) |
| *6 |
橋本喜一「荷為替信用状における提供証券の審査に関する諸問題(二)」(民商103巻2号181頁(1990))。Equitable Trust Co. of New York v. Dawson Partners Ltd. [1927] 27 L.l L.Rep. 49 |
2.信用状統一規則(UCP600)の成立過程と概要
2003年5月、ICCから授権された銀行技術実務委員会(ICC Commission on Banking Technique and Practice)が、UCP500の改訂作業を推進する起草グループを設置、さらに各国ICC国内委員会への草案公開に先立ち、事前に草案を見直し、助言するため、銀行業界および運送業界の専門家からなる諮問グループを創設した。
起草グループは、銀行技術実務委員会より公表されたUCP500に基づく公式意見(the official Opinions)、1994年に公表された4つの実務指針(Position Paper)、2つの裁定(Decisions)、およびDOCDEX(Documentary Credit Dispute Resolution Expertise)*7 の事案において公表された裁定(decisions)について内容の分析、検討を行うとともに、ICC運送ロジスティクス委員会、商取引法実務委員会、および保険委員会等の専門家からの意見を受け改訂草案を作成した。本改訂草案は2006年10月ICC銀行技術実務委員会にてUCP600として採択され、2007年3月にはICC日本委員会により日本語版が刊行されている。
今回の改訂による形式的な変更点としては、14の定義規定(UCP600第2条)と12の解釈規定(UCP600第3条)が条項として盛り込まれた点があげられる。UCP500では、これらの定義・解釈は関係する各条項の中でそれぞれ記載されていたが、UCP600では第2条・第3条にまとめて記載された。これによって、表現の重複がなくなり、条文が明確かつ簡潔になったとともに、用語の曖昧さが排除されている。また、第二通知銀行の規定の新設(UCP600第9条c項)、引受信用状・後日払信用状において割引を行うことを指定銀行に授権する旨の規定の新設(UCP600第12条b項)、書類点検期間の短縮(UCP600第14条b項)、ディスクレパンシーのある書類の取扱い(UCP600第16条c項)等、実務上大きな影響を与える変更も加えられた(詳細は次節にて取り上げることとする)。
これらの変更により、UCP600は銀行業界、運送業界および保険業界における実務の発展に配慮した内容となっている *8。
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ICCの専門機関として設置された信用状に係る特別の仲裁制度である。 |
| *8 |
なお、UCP600に関し、“International Standard Banking Practice For the Examination of Documents Under Documentary Credits 2007 Revision for UCP ISBP”および“Commentary on UCP600 Article-by-Article Analysis by the UCP600 Drafting Group”が、2007年7月および11月にそれぞれICCから刊行されている。 |
3.信用状統一規則(UCP600)の主な変更点と実務上の留意事項
1)オナー概念の規定の新設(UCP600第2条、7条、8条)
発行銀行/確認銀行の約束として、一覧払・後日払・引受決済の三種類の決済を総称する「オナー(honour)」という用語が新設され、使用されている。表現は変わったが、発行銀行/確認銀行の約束(義務)の内容はUCP500と変わりない。「オナー」という用語を使用することで、表現の重複が回避され、UCPの条文全体が簡潔になっている。
2)買取(Negotiation)の定義の変更(UCP600第2条)
UCP500では、「買取(negotiation)とは、買取を授権された銀行が手形および/または書類の対価として代り金を支払うこと(the giving of value)をいう。」(UCP500第10条b項ii号)と定められていた。しかしながら、UCP600では、「「買取(negotiation)」とは、指定銀行 *9 による、充足した呈示に基づく為替手形(その指定銀行以外の銀行を支払人として振り出された為替手形)および/または書類の買い入れであって、その指定銀行に対する補償の弁済日である銀行営業日またはそれ以前に受益者に資金を前払する方法によるもの、または前払することを合意する方法によるものをいう。」(UCP600第2条)とされ、即時の支払のみならず、支払の義務を約束することも買取(Negotiation)に含まれるとした。これは、1994年にICC銀行技術実務委員会から出された4つのPosition PaperのNo.2の趣旨を反映した変更である *10。
3)取消可能信用状に関する規定の削除(UCP600第3条、7条、8条)
UCP600では、「「信用状(Credit)」とは、いかなる名称が付されまたは表示がなされているかを問わず、取消不能(撤回不能:irrevo-cable)であって、充足した呈示をオナー(honour)することの発行銀行の確約となる取決め(arrangement)をいう」(UCP600第2条)、「信用状は、たとえその趣旨の表示がない場合であっても、取消不能(撤回不能:irrevocable)である。」(UCP600第3条)と定められるとともに、UCP500で規定されていた取消可能信用状に関する条項は削除された。これにより、UCP600は取消不能信用状だけを対象とすることになっている。但し、実務上は“Irrevocable”でない“Revocable Credit”は従来からほとんど使用されておらず、今回の変更はこのような信用状取引の実態を反映させたにすぎない。
4)通知銀行の義務の内容の変更(UCP600第9条b項、c項)
UCP500では、信用状の外観上の正規性(Authentication)を確認するために相当の注意を払うこととされていたが、UCP600では外見上の真正性(apparent authenticity)の確認義務 *11 に加え、発行銀行から通知された内容を正確に反映すべき義務を追加的に規定している。「正確に反映させる」(accurately reflects)とは、発行銀行から受け取った信用状および条件変更と、通知銀行が通知する信用状および条件変更との間に一切の相違がない(一字一句一致している)ことを意味すると考えられるが、これは実務上当然の事務手続きをUCP上で明確に規定したにすぎない。
5)第二通知銀行の規定の新設(UCP600第9条c項)
信用状および条件変更を受益者に通知する際、通知銀行が他行(第二通知銀行)を利用することができる旨、新たに定められた。第二通知銀行として信用状および条件変更の通知を受けた銀行には、通知銀行と同様に信用状および条件変更の外見上の真正性の確認義務と内容を正確に反映する義務が生じる。これにより、今までアドバイス・スルー *12 に応じてきた他行(第二通知銀行)の役割と責任が明確になった。
6)自動成立条件付アメンドは無視される旨の規定(UCP600第10条f項)
UCP600第10条f項により、条件変更は一定期間内(通知の日からX日以内)に受益者の拒絶がない場合には、受益者によって同意されたものとみなすというような条件付の条件変更は認められないこととなり、従来に比べ受益者の立場が擁護されている。
7)引受為替手形・後日払約束の割引の実行を指定銀行に授権する規定の新設(UCP600第12条b項)
UCP600第12条b項が新設され、指定銀行は、引き受けた為替手形または後日払約束について、前払するまたは買い入れる権限を発行銀行から与えられることになった。
そもそも引受銀行が支払期日前に手形の割引を実行することは銀行の通常業務であり、この規定の新設は実務をUCP上明確に規定したにすぎないともいえる。しかしながら本条項の新設目的は、取引に詐欺が介在している場合に、発行銀行が、善意の指定銀行が行った割引は授権行為外であるとして呈示書類を拒絶することを阻止しようとするものといわれている。
なお、この保護は指定銀行 *13 にのみ与えられるものであり、非指定銀行が行う割引は、自行(当該非指定銀行)の計算において行うものとして本条項は適用されない。
8)書類点検期間の短縮(UCP600第14条b項)
書類点検期間について、UCP500では7銀行営業日を超えない相応の時間とされていたが、UCP600では最長5銀行営業日に短縮されている。これに伴い、ディスクレパンシーが発生した場合に、発行銀行は(発行依頼人の意思に関係なく)拒否通知を行う(First presentation unpaid)こともあるため、受益者はまずは発行依頼人と連絡を取り、発行依頼人の意思を確認する必要がある。
9)発行依頼人と受益者の住所の規定(UCP600第14条j項)
受益者と発行依頼人の住所に関し、信用状に記載された住所と同一国内であれば、信用状や他の呈示書類に記載された住所が一致していなくても良いこととなった。また、受益者や発行依頼人の住所の一部として記載されている電話番号、FAX番号、メールアドレス等については無視されることとなった。これらは、実務上の必要性は確保しながらも、無用な書類拒絶を抑制しようとするものである。なお、運送書類の荷受人または着荷通知先欄については、貨物の受渡しに関係するため、必ず信用状に記載されたとおりでなければならない。
10)ディスクレパンシーのある書類の取扱い(UCP600第16条c項、d項)
UCP600第16条c項にて、銀行が支払い拒絶の通告に際して記載すべき事項を明示している。ここでは、UCP500第14条にて定められていた事項に加え、ディスクレパンシーを理由に書類の受理を拒絶している発行銀行が、発行依頼人から権利放棄を受領し、かつ自行がそれの承諾に合意するまで、または自行が権利放棄を承諾するよりも前に提示人から更なる指図を受領するまで書類を所持する場合にはその旨(UCP600第16条c項iiib.)を、または先に呈示人から受領した指図に従って行為している場合にはその旨(UCP600第16条c項iiid.)を記載することになった。
また、支払い拒絶の通告に関し、UCP500では「it must give notice to that effect」と記載されていたが、UCP600では「it must give a single notice to that effect」とされ、「一度限り」の拒絶通告を強調している。これは、発行銀行がディスクレパンシーを理由に支払い拒絶を通告する際には、拒絶理由となるディスクレパンシーを列挙し合わせて通知するが、当該通知したディスクレパンシーが呈示銀行により手当てされたにもかかわらず、その後別のディスクレパンシーが発見されたとして繰り返し支払い拒絶を行うことで、長期間にわたって債務の確定が行われないという事態を阻止しようとするものと思われる。
なお、本条の定めに従って行為をしない場合には、その銀行は書類が充足した呈示となっていない旨を主張することが出来なくなる旨定められているため(UCP600第16条f項)、書類点検期間は上述のとおり最長5銀行営業日に短縮されているが、書類点検自体は従前同様詳細に行うことが必要である。
11)Freight Forwarder 発行の運送書類に関する規定の削除
以前は、Freight Forwarderは荷主と船社等輸送業者との間に立って運送を取り次ぐのみで、運送責任は負わなかったが、現在ではほとんどが自ら運送責任を行う運送人またはその代理人となっている。そのため、UCP600では運送人とFreight Forwarderを区別して取り扱う必要性がないとして、Freight Forwarderに関する条項は削除し、UCP600第19条以下の運送書類の各条項に含めることとなった。
12)送付途上における船積書類の紛失に関する責任規定(UCP600第35条)
書類送付途上の紛失について、UCP500では、銀行は何の義務も責任も負わないとしている。UCP600においても、第35条第1文において、書類送付途上の紛失について銀行は何の義務も責任も負わないと規定している。しかしながら、続く第35条第2文では、信用状条件を充足していると決定した書類が指定銀行から確認銀行/発行銀行へ送付する途中で紛失等が発生した場合には、確認銀行/発行銀行は、指定銀行に対してオナーするまたは買取るもしくは当該指定銀行に対し補償をしなければならない義務を負うとされ、書類紛失にかかる危険負担が当該指定銀行から確認銀行/発行銀行に移転する旨新たに規定されている。
| *9 |
信用状がそこで利用可能な銀行をいい、任意の銀行で利用可能な信用状(a credit available with any bank)の場合には、任意の銀行(any bank)をいう(UCP600第2条)。 |
| *10 |
東京高判平成16年3月30日では、受益者から手形等を取得する時点では、買取代金の支払はなく、買取銀行が発行銀行から補償金の支払を受けた後に支払をし、かつ、補償金の支払を受けられないことが確定したときには、支払代金の支払債務は受益者の荷為替手形買戻債務と相殺処理をするというわが国の実務(PPネゴ(Post Payment Negotiation))について、Position PaperのNo.2に依拠して「買取」にあたると判示するが、批判もある。金彦叔「信用状統一規則の「買取」の意義とディスクレパンシーの有無」ジュリ1335号127頁(2007)他。今回の定義の変更により、どのような前払いの約束が「買取」と扱われうるのかは留意を要する。 |
| *11 |
最近では、相手方通信の正しさをスイフトの場合のAuthentication keyの有無またはテレックスの場合のテストキーの確認を怠ったことにより通知銀行の不法行為責任を認定した事例として大阪高判平成18年2月1日がある。 |
| *12 |
発行銀行が、予め第二通知銀行を指定し、第一通知銀行に第二通知銀行を通じて受益者に通知(アドバイス)するよう求めること、またはその通知方法をいう。 |
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なお、指定銀行の定義(前掲注9参照)について、起草グループの解釈と実務に見解の相違がみられるようであり留意を要する。飯田勝人「UCP600のICCコンメンタリーに関連した銀行実務上の留意点」銀法684号18頁(2008)。 |
おわりに
発効から約10カ月、UCP500の条件下で発行された信用状の多くがその有効期限を迎え、実務上は大きな混乱もなくUCP600へ移行している。一方で、UCP600に準拠しながらも、UCP600第1条後段に基づき条項の一部を適用外とする、または内容を修正するといった動きもみられ、これらが信用状取引に与える影響についてはこれからも注視する必要がある。また、例えば書類送付途上における船積書類の紛失時に、指定銀行が確認銀行/発行銀行から補償を受けるためにはいかなる対応が求められるか等についても、未だ議論の余地があり、今後の判例等を見守る必要がある。 |
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| 以上 |
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