| トピックス 2008.1.23 |
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研究開発ポートフォリオ評価システム導入による研究開発マネジメント 第1回
研究開発の効率化の必要性 |
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| 知的財産グループ 公認会計士 長谷部 智一郎 |
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I.研究開発マネジメントの必要性
将来のビジネスを成長させるために、多くの企業では、既存製品・サービスを支える技術から、新しいマーケットを創造していく技術など、さまざまな領域に積極的に研究開発投資を行っています。しかしながら、自社の研究開発ポートフォリオを十分にマネジメントできている会社は、必ずしも多くないかもしれません。製品・サービスの高付加価値化の源泉となる研究開発は、人・時間・投資金額をかけて、市場変化や競争というリスクの中で、事業を加速・成長させる成果を得なければなりません。このため、研究成果の価値の多面性を考慮しながら、共通の評価指標をもって、経営への貢献を客観的に評価する仕組みを導入し、研究開発の質を向上させ、事業化に向けた成果を高めることが重要です。
II.研究開発マネジメントの留意点
研究開発マネジメントを行ううえで、留意点として以下のような例が挙げられます。
1)研究担当者の思い入れ等により事業領域の絞り込みが不十分な場合があります。企業がグローバルな市場での競争に勝ち、今後も成長し続けるためには、研究開発が経営戦略と整合性がとれるように、自社の強みを踏まえた領域に選択と集中をする必要があります。
2)各研究開発テーマの評価はしているものの、基準や結果があいまいな場合や、技術・市場動向の把握が不十分で評価に十分反映できていない場合があります。単なる資料作りが目的とならないように、研究担当者に技術・市場動向把握の必要性の理解を促し、継続的な技術・市場動向を調査させ、事業部の活動と連携することが必要です。
3)事業計画の根拠があいまいとなる場合があります。恣意性を排除するために、事業計画に関する仮説構築、数字の根拠の明確化、及び第三者レビュープロセスの設計が必要です。経営戦略部門や研究開発スタッフ部門等が市場・競争環境、特許・技術動向に関する客観的な情報を提供し、担当者の仮説や数字をレビューすることにより、研究開発活動において、より客観性をもった的確な判断が可能となります。
4)事業の検証が欠落している、または技術に偏った検証が多い場合があります。“優れた技術”であっても、売れるわけではなく、技術的な価値と市場におけるその技術の経済的な価値は異なる次元にあります。“優れた技術”を開発・獲得したとしても、その優位性が事業に経済価値を与え、収益を生む源泉になるような仕組みを構築してはじめて、その技術の価値が顕在化します。したがって、技術・事業の両面からの検証と発展が必要です。
III.研究開発ポートフォリオ評価システム導入の効果
研究開発マネジメントに資する研究開発ポートフォリオ評価システムの導入は、単なる選別手段ではなく、研究の質や事業化に向けた成果を高めるための組織・研究員の意識改革に向けた動機付けとしても位置づけられます。したがって、研究開発ポートフォリオ評価システムを導入することにより、以下の効果を得ることが考えられます。
1)研究開発テーマについて、全社的共通尺度を用いて、分野・領域の枠を超えて優先順位付けを行うことにより、より的確な経営資源の配分を行うことができます。優先度の高いテーマへ経営資源を集中させ、研究開発の成功確率の向上を目指すことができます。
2)評価結果そのものの妥当性を向上させて経営者の最終判断に役立つ情報・データを提供することにより、研究開発の事業化まで含めた成功確率の向上が見込まれます。また、人脈や経験・ノウハウ、知的財産や技術マップを共有することにより、研究の生産性の向上を図ることができます。
3)テーマの評価プロセスを公平・公正に可視化することにより、研究開発担当者の意識を変革することができます。つまり、評価の過程を通じて、研究開発担当者が事業化や特許に関する検討の重要性を認識するようになります。
「研究開発ポートフォリオ評価システム導入による研究開発マネジメント 第2回 研究開発ポートフォリオの事例」では、これらを考慮に入れて進めた、研究開発ポートフォリオ評価システムを導入した具体的な事例を紹介します。 |
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