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トピックス 2007.4.25
ジャスダック証券取引所の新市場の創設について
IPO支援室 公認会計士 津村 陽介
1.はじめに
株式会社ジャスダック証券取引所は、平成19年3月29日付けで「新市場の創設について」を公表し、4月18日までパブリックコメントと新市場の名称を募集した。
新市場の創設は、将来性のあるテクノロジー開発やビジネスモデル展開を行う成長の可能性を有する企業を支援することを目的としているが、以下その特徴について解説する。

2.新市場創設の意義
JASDAQ市場の上場会社数が1,000社に迫ろうとしている現状において、堅実かつ安定的な成長を目指す企業と、イノベーション、先端的テクノロジーや将来性のあるビジネスモデルによる成長を目指す企業が峻別されることになる。
また、これまでの新興市場を越えた新たな市場として、1.先端的テクノロジーや将来性のあるビジネスモデルによる成長を目指す企業を支援する一方で、2.市場の特性に応じた投資者保護の達成の両立を図るものとなっている。

3.新市場の特徴
新市場は、成長企業の支援を目的としているため、上場審査基準は既存市場に比べて要件が緩和されており、「企業の継続性及び収益性」ではなく「企業の成長性」が重視されている。一方、投資家保護の観点から、経営計画・事業計画の進捗・変更状況等の説明を内容とするマイルストーン開示が義務付けられるとともに、年2回以上の投資家向け説明会やホームページ上で年4回以上IR資料を掲載することが求められている。
また、上場申請書類に関して、「上場申請のための報告書」(いわゆるIIの部)の提出を不要としている一方で、公認会計士のレビューは要求されていないものの、「財務計算に関する書類その他の情報の適正性を確保するための必要な体制について記載した書類」の提出が義務付けられている。

4.上場審査基準
上場の形式的資格要件(形式基準)及び上場審査項目(実質基準)は表1のとおりであるが、特に事業の基礎となる技術がある場合には、その技術について説明する関連書類の提出を求ている。さらに、当該技術の新規性を踏まえつつ、必要に応じ、当該技術に関し複数の中立的な有識者が技術上の観点から分析を行った書類の提出を求めることとし、ジャスダック証券取引所が新たに設ける技術評価アドバイザリー・コミッティーにおいて、当該技術評価について評価を得るものとすることとされている。

表1
<形式基準>
株主数 上場時までに300人以上
時価総額 上場日において10億円以上
純資産の額 直前事業年度末において正
売上 基礎になっている事業の売上高が上場申請日の前日までに計上されていること
事業年数 基礎になっている技術やビジネスモデルによる本格的な事業展開から過度に長期間を経過していないこと
監査意見等 直前2事業年度に係る財務諸表が記載又は参照される有価証券報告書等に「虚偽記載」が行われておらず、直前事業年度に係る監査報告書が「無限定適正」及び中間監査報告書が「有用意見」
上場前の公募又は売出し 上場に際し1,000単元以上の公募又は売出し(うち最低500単位の公募)
その他 1年以上の取締役会の設置、株式事務代行機関の設置、適格株券の使用、上場銘柄の譲渡制限撤廃、指定保管振替機関における取扱いに係る同意

<実質基準>
企業の成長性 将来の成長性を示す適切な事業計画を有していること事業の基礎となる技術がある場合には、複数の中立的な有識者から得た技術評価についてアドバイザリー・コミッティーの評価を得ること
企業経営の健全性 事業を公正かつ忠実に遂行していること
企業内容の開示の適正性 企業内容の開示を適正に行うことができる状況にあること
その他 その他公益の又は投資家保護の観点から必要と認める事項


5.上場廃止基準
上場廃止基準は概ね既存市場と同様であるが、上場会社が基礎となる事業を廃止することにより、企業活動を停止した場合が追加されている。

表2
<実質基準>
株主数 150人未満で1カ年を経過したときに150人に達していないとき
値付率 20%未満で6カ月以内に20%以上にならないとき
上場時価総額 5億円未満で9カ月以内に5億円以上とならないとき又は株価が2円未満となり3カ月以内に2円以上とならないとき
債務超過 1年以内に債務超過を解消できないとき
基礎となる事業の廃止 上場会社が基礎となる事業を廃止することにより、企業活動を停止した場合において、3カ年以内に、当該上場会社が新たな技術やビジネスモデルにより企業活動を再開しないとき
その他 銀行取引の停止、破産手続・再生手続又は更生手続、事業活動の停止、不適当な合併等、有価証券報告書又は半期報告書の提出遅延、虚偽記載又は不適正意見等、上場契約違反等、株式事務代行機関への委託解除、株式の譲渡制限、完全子会社化、指定保管振替機機関における取扱いに係る同意の撤回、株主の権利の不当な制限、株式の全部取得
以上
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