| トピックス 2007.5.30 |
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| 2007年 第1四半期におけるIPO市場の動向 |
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| IPO支援室 石塚 良光 |
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1.はじめに
2007年は、景気が息の長い成長を続ける中で明けた。日経平均株価も1万7千円台で推移する状況が続いているが、市場は、昨年の年明け早々に発生したインターネット関連企業の粉飾事件後も、後を絶たない上場企業の不祥事により投資家の信頼は裏切られ、とりわけ新興市場においては、個人投資家の決算不信が収まらず株価下落に歯止めがかからない状態となっている。
このような状況の中、2007年においては、2月6日から新規上場がスタートしている。ここで、3月末までの第1四半期について整理してみることとする。
なお、文中の意見に関する部分は私見である。
2.新規上場会社数
2007年 第1四半期の新規上場会社数は43社となり、昨年と数字上は同様の水準であるが、市場別にみると、一部・二部への上場は4社と昨年の16社から大幅に減少している。一方、ヘラクレスは、昨年の3社から11社と大幅に増加している。また、ジャスダック及びマザーズは同様の水準となっている。
図表1において、その他に分類されている4社のうち、3社はアンビシャスへの上場であり、すでに、昨年の年間上場会社数の4社に迫る勢いとなっている。
図表1 新規上場会社数
| 市場 |
2007年 第1四半期 |
2006年 第1四半期 |
増減 |
2006年 年間 |
| 一部・二部 |
4 |
16 |
△ 12 |
33 |
| ジャスダック |
18 |
17 |
1 |
56 |
| マザーズ |
6 |
7 |
△ 1 |
41 |
| ヘラクレス |
11 |
3 |
8 |
37 |
| その他 |
4 |
1 |
3 |
21 |
| 合計 |
43 |
44 |
△ 1 |
188 |
3.新規上場会社の特徴
業種別にみると、小売業5社、情報・通信業10社、サービス業7社となり、これら3業種で半数を占める傾向は昨年と同様であるが、電気機器業が6社となっていることが特徴的である。
個別に会社を見ると、高齢化社会を反映して、有料老人ホームの設置・運営・管理を行う株式会社光ハイツ・ヴェラス(2/6:アンビシャス)やデイサービスセンターを運営する株式会社やまねメディカル(3/19:ヘラクレス)の上場があり、29年ぶりに再上場を果たした永大産業株式会社(2/28:東証2部)、個人向けの不動産担保ローン専門会社の株式会社アサックス(2/14:東証2部)などが特徴的である。
初値の公募価格に対する騰落率は、昨年の第1四半期においては、200%以上の銘柄が6社あり、平均騰落率も88%(マイナスの銘柄は0社)であったが、2007年 第1四半期においては、200%以上の銘柄はなく、平均騰落率は40%(マイナスの銘柄は8社)となっている。初値に対する公募価格の騰落率上位5社は、図表2のとおりである。
| 図表2 初値の公募価格に対する騰落率上位5社 |
(単位:円) |
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| 上場日 |
市場 |
会社名 |
公募価格 |
初値 |
騰落率 |
| 2/8 |
ヘラクレス |
ディーバ |
200,000 |
460,000 |
130.0% |
| 2/7 |
ヘラクレス |
アマガサ |
190,000 |
415,000 |
118.4% |
| 3/15 |
マザーズ |
エーアイテイー |
120,000 |
261,000 |
117.5% |
| 2/14 |
ジャスダック |
ウィル不動産販売 |
200,000 |
420,000 |
110.0% |
| 3/8 |
ジャスダック |
イー・ギャランティ |
255,000 |
528,000 |
107.1% |
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株式会社ディーバは、連結パッケージ・ソフトウェアの開発、販売、導入支援サービスを主な事業としており、連結会計システム、計画・予算策定システム、経営情報活用システムといったソフトウェアのライセンス販売、ソフトウェアの導入コンサルティングや顧客の要望に対応したシステム開発などを行っている。
株式会社アマガサは、10代から20代前半の女性を主な顧客とし、「JELLY BEANS」(ジェリービーンズ)、「MINX」(ミンクス)の2つのブランドを中心に、ノンレザー素材の婦人靴のデザイン・企画、卸売販売、小売販売を行っている。
株式会社エーアイテイーは、船舶による国際海上貨物の輸送を、主に国際海上コンテナを利用して行っている。自社では輸送手段を所有・運行しないため、船会社等の実運送会社が行っているサービスを利用する方法を採用している。
株式会社ウィル不動産販売は、関西圏において不動産売買の仲介業務、中古住宅のリフォーム業務、マンション・戸建住宅・宅地等の企画・開発・販売業務を行っている。
イー・ギャランティ株式会社は、事業法人向けに、事業会社間で生じる商取引における債権回収リスクの保証受託(リスク引受)、金融法人向けに、金融機関の保有する各種債権における信用リスクの保証受託(リスク引受)を行っている。ただし、引受けたリスクは自社で保有せずに、リスク商品としてのポートフォリオ組成を行ったうえで金融機関等に再保証委託をしている。(参照:上場申請のための有価証券報告書)
4.新興3市場の資金調達の状況
新興3市場の資金調達額は(公募・売出し金額合計)は例年20億円程度で推移しており、2006年 第1四半期の平均は、35億円と若干大型化する傾向が見られたが、2007年 第1四半期の平均は21億円であり、例年どおりの水準となっている。100億円以上調達した会社は3社(2006年:年間23社)で、株式会社ユー・エス・ジェイ(3/16:マザーズ)196億円、株式会社藤商事(2/9:ジャスダック)117億円、株式会社アートネイチャー(2/14:ジャスダック)106億円となっている。
5.おわりに
東京証券取引所は、NYSEグループ、ロンドン証券取引所といった海外の証券取引所との業務提携で合意をする一方、国内においては、株式だけでなく、金融や商品先物、穀物などを扱う「総合取引所」の創設が議論されている。
また、ジャスダック証券取引所は、先端技術の実用化を目指す企業向け新市場の開設を発表し、「将来性のある技術開発や事業モデルを展開して成長する可能性のある企業」を対象として、先端技術、先端の事業モデルを有する企業の誘致を目指すとしている。この新市場は、既存の市場と並立する形で存在することとなる。
さらに、日本証券業協会は、上場廃止銘柄の株式を売買できる市場の創設の検討を始めることが報道されたが、相次ぐ上場企業の不祥事などにより上場廃止となった企業の個人株主が保有する株式について、市場で売買できなかったことによる対応を図ることを考えており、いずれの市場も今後の動向が注目される。 |
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| 以上 |
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