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A)新薬製品化後のフェーズでの利益獲得を企業活動目的とするモデル(製造業型モデル)
新薬製品化後の製造販売もしくはライセンス・アウトによるロイヤリティ獲得が主たる企業活動であり、それまでの研究開発過程は先行投資として位置づけられるモデルがある。
このようなバイオベンチャーの場合には、製薬企業のような製造業的な会計の枠組みである「製造業型会計」が適している。新薬製品化前の段階における研究開発活動に付帯して発生する収益は、実費負担か否かを問わず、「非売上」として処理すべきであり、以下の2つの会計処理方法が考えられる。
a.営業外収益
研究開発段階での対価受領が売上ではない以上、従来の会計慣行からすれば、営業外収益において収入総額を表示する方法が一般的であろう。
b.研究開発費の控除(マイナス)処理
製薬企業とのリスク負担関係を示すためには、製薬企業からのキャッシュ・インを研究開発費総額から差引くといった会計処理が考えられる。この場合の開示形式(直接控除形式または間接控除形式)については、「企業実態を表現する財務諸表の形態」としてあらためて検討する予定である。
なお、研究内容が自社の主たる企業活動とは異なる分野のもので取引先の事業目的の達成のために研究員を派遣しており、これに対して人件費相当額を収受しているような場合には、直接控除形式により研究開発費との相殺処理が行われる。
B)研究開発のフェーズでの利益獲得を企業活動目的とするモデル(研究開発型モデル)
発掘したシーズの事業化を目指して製品研究開発を推進することにより製薬企業等とのアライアンスを構築、維持することを主たる企業活動としているモデルがある。
このようなバイオベンチャーにとっては、従来の「企業会計」の中で研究開発自体を企業活動と捉える会計の枠組みである「研究開発リニアモデル型会計」もしくは、より研究開発活動を主体的に捉える会計の枠組みである「研究開発ノンリニアモデル型会計」が適している。従って、契約一時金、研究協力金及びマイルストーン、並びにロイヤリティに係る収益は、すべて「売上」に区分される(表示科目については後の機会に検討する)。
なお、公的機関からの補助金については通常、先方に研究成果を利用する意思がなく対価性がない(提供する成果物)ため、補助金の獲得自体は主たる企業活動にあてはまらないケースが多いであろう。この場合、売上にはならず、営業外収益あるいは特別利益として計上される。 |