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公会計改革 コラム 2007.11.28
「新地方公会計制度実務研究会報告書」における2つの財務書類作成モデル
第3回 先進団体における取組事例
公認会計士 小室 将雄
1.早期の財務書類整備に向けた取り組み事例
新地方公会計制度実務研究会報告書」第1部の22段落には、「例えば平成20年秋を目処に平成19年度決算の連結財務書類4表を(あるいは連結貸借対照表のみでも)開示するなど、早期に財務書類を整備の上、公表することが期待される。」と記載されるなど、財政健全化法のスケジュールともあいまって、早期の取り組みを求めている。
このような状況も踏まえ、実際に、府県等が主催した研修会に府県下の全市町村が参加し、本稿の執筆時点で「総務省方式改訂モデル」に基づく一定程度の普通会計財務書類4表がすでにほぼ全団体で出来上がっているという話を聞いている。全団体が参加することで、互いの情報交換・情報共有や刺激をし合いながら、可能な限りスピーディーかつ効率的に財務書類を作成し、その後の活用に重点を移していこうという取り組みであり、このような動きが他府県に広がることにより、早期に多くの団体で財務書類の整備が進むであろう。

2.浜松市における財務書類整備後の活用事例
浜松市では、「総務省方式改訂モデル」に基づく財務書類の実証団体として、平成18年9月に平成17年度決算に基づく普通会計財務書類4表を開示するとともに、平成18年度決算ではさらに精緻化を進め、平成19年9月に「浜松市の財政のすがた」として公表されている。
この中で、従来の総務省方式では明らかとされなかった「回収不能見込額」が貸借対照表上で明示され、その金額も決して少額ではないことが明らかとなっている。
平成19年4月の組織体制の改編に伴い、効果的な収納体制への見直しと高額または徴収困難な債権回収を組織横断的かつ専門的に実施する組織としての債権回収対策課を設置、平成19年6月に「市税滞納削減アクションプラン」を策定、「浜松市の市税のすがた」よる市税の徴収状況等の分析と今後の対応策を公表、債権管理条例の制定を検討するなど、財務書類で「回収不能見込額」を明示するだけではなく、その低減に向けた具体的な取り組みを始めている。これらは財務書類の整備から発展した取り組みであり、浜松市はこれ以外にも「浜松市公会計改革アクションプラン」で明示されている取り組みを順次実行に移していると聞いている。
各団体においても、浜松市とまではいかなくとも、単なる財務書類の整備だけではなく、その後の活用やアクションも見据えた取り組みを行ってほしいと願っている。今回の公会計改革は、財務書類の作成が目的ではなく、その活用がメインだからである。

なお、今回の公会計の整備推進によって、具体的にどのような活用が考えられるかは、別稿にて解説したい。

※本文中の意見に関わる部分は私見である。
以上
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