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| 行政経営 トピックス 2004.1.21 |
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| PPPによる行政マネジメント改革 第1回 本物の行政改革のために |
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| 公認会計士 森田 祐司 |
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I 本物の行政改革のために
国と地方を合わせた借金が膨れ上がり、行政改革という言葉を聞かない日はない。行政改革は膨張した行政のスリム化と同義で語られ、予算削減・人員削減・機構改革により、外見的な行政改革は着実に進行してきたかのようにみえていた。しかし、行政機関本体の歳出が減り人員が削減されても、外郭団体などを利用した外見だけの行政組織のスリム化や、新たな利権を生む民間委託が進行し、改革が進まないばかりか、一時的に成果が上がったかのようにとらえられ、抜本的改革への着手が遅れる結果となってきたといえる。
そのような見せかけの行政改革からは一線を画する取組みが、行政マネジメント改革である。行政マネジメント改革の必須要素は、システム改革と意識改革である。そしてこの改革の過程でPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)は強力なツールとなり、PPPを活用することにより行政マネジメント改革をさらに推進することができる。行政マネジメントを理解し体験できるツールがPPPであるともいえる。
本稿では、PPPが、官民のよいところを活かすべく導入されながら、リスクマネジメント不在で頓挫していった第三セクターと同じ轍を踏まないための留意点を明らかにしていきたい。
II 行政におけるマネジメントシステム
設定した目的・目標を限られた資源で効率的に達成するための集団を機能組織と定義すれば、行政機関と民間企業は双方とも機能組織であることに違いはない。マネジメントは一般に経営と訳され民間企業で用いられる概念であったが、この考え方を同じ機能組織である行政機関でも活用しようとする考え方がニューパブリックマネジメント(NPM:NewPublicManagement)理論である。
行政機関においては、その目的・目標を達成するために、ひと・もの・かね等の行政資源をどのように調達・配分し、どのような事業を行うかを、実施計画や予算として策定し(P:Plan)、行政活動が執行される(D:Do)。行政機関が機能組織となるためには、執行結果を測定し目標値と比較し(C:Check)、必要な改革改善を策定し(A:Action)、次の計画に反映させる(P:Plan)プロセスが不可欠である。この一連の流れはPDCAのマネジメントサイクルと呼ばれ、行政機関においてはC(Check)とA(Action)およびこれを踏まえたP(Plan)の機能、すなわち業績測定と改革改善機能の強化と、D(Do)機能の戦略的分離が急務であるといえる。

III 負担と受益の視点による業績測定
行政機関の課題は、いかに少ない国民負担のもとでいかに多くの受益を提供できるかであるが、この負担と受益のバランスをマネジメントするためには、成果概念とコスト概念が重要になる。
行政機関では、納税等による財源負担をともなって収入した資源を行政活動に投入(インプット)し、行政活動を行う(プロセス)ことにより、行政サービスが提供(アウトプット)され、その結果、国民等に受益が発生する。民間企業においての一義的な受益は企業自体の受益であり財務情報としての売上であるといえるが、行政機関においては国民の受益であり、個々の受益は行政機関の成果である。多くの成果は国民がどのような状態になるかというアウトカム(outcome)で表されるため、多くの場合、非財務情報とならざるを得ないが、負担と受益のマネジメントのためには、適切な定量化が必要である。
行政サービス活動はその有効性や効率性等の視点でマネジメントされるが、この時に成果と対比されるべきものは、行政サービス提供に関連して費消した行政資源の額、すなわちコスト(厳密には発生主義に基づくコスト)である。企業会計においてコストは企業の負担であるが、行政機関が行政活動に費やしたコストは納税等の国民負担とは必ずしも一致しない。特に負担をともなわないコストの発生は、現在の行政機関の意思決定に参加できない将来世代への負担を強いるものであることは行政機関の特徴である。
行政機関における負担と受益のマネジメントは、負担とコスト(世代間負担)と、コストと受益の二段階に分けてマネジメントする必要がある。

IV 執行機能の分離
機能組織においては、目的達成の観点からその手段をゼロベースで考えることが必要である。民間企業ではアウトソーシングや事業選択と事業提携により、自企業が最も優位な事業に経営資源を集中し、収益の極大化を目指す戦略が当然のように採用されている。行政機関においても同様の考え方で、舵取り機能と執行機能の分離や、他の行政機関との連携を検討することが必要である。
行政機関の目的・目標を達成するための手段を企画・立案し、その成果が上がるように管理監督することを行政機関自らが実施しなければならないのは当然であるが、手段執行をも行政機関が自ら実施しなければならないとは限らない。手段執行はより効率的に成果を達成できる主体が実施するべきであり、多くの場合、競争環境で培われたコスト競争力を持つ民間企業が執行主体として適しているといえる。そして、執行機能の分離にあたっては、執行にあたって裁量性が確保できる契約と適切な競争環境の確保が必要である。
執行機能の分離により行政機関において計画・企画機能、業績評価機能、改革改善機能の強化に資源を集中できることになる。 |
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| 以上 |
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| 『リスクマネジメントBusiness』(株式会社ダイヤモンド国際経営研究所/2003年10月号)森田祐司執筆分より抜粋 |
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