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| 行政経営 トピックス 2004.3.17 |
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| PPPによる行政マネジメント改革 第3回 PPP導入にともなうリスク |
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| 公認会計士 森田 祐司 |
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わが国においてPPPを導入する過程で起こり得るリスクを明らかにし、事前にこれに対する処方箋を示すことで、PPP有効活用のリスクマネジメントに供したい。
I にせものPPP・隠れ借金
わが国で初期に行われたPFIでは、隠れ借金のツールとして利用するケースが見受けられた。例えば、地方公共団体が地方債を発行して建物を建て、これを使って20年間行政サービスを提供する事業について、PFIを採用するかどうかは、VFMによって判断されるべきである。しかし、この建物を使った行政サービスの目的・成果目標を明確にせず、地方債を発行しなくてもすむという理由だけでPFIを利用しているようなケースがある。あるいはPFI事業のほとんどが建物建設で、その建設仕様が非常に詳細に決定されていて、民間事業者の技術力や経営能力などの知的財産を生かす余地がほとんどないケースがある。さらにPFI事業のリスクのほとんどの負担者を不明確なまま放置したものや、行政が負うにもかかわらずVFM算定においてなんら考慮されていないケースもある。
いずれも行政マネジメント改革につながるPPPとはいいがたく、今後のPPP事業選定においてはこれを反面教師とした適切な活用が望まれる。
II 行政の能力向上なくしてPPPは成功しない
PPPでは執行機能を行政外部に切り離すことになる結果、行政の役割がより明確になる。役割の明確化は責任の所在の明確化である。政策立案能力や改革立案推進能力のない行政機関は、いくら優秀な民間企業を執行パートナーとして事業を行っても成果は上がらない。最新型のエンジンを積んでも操舵機能が悪い船は目的地へは行きつかない。
「民にできることは民に」というスローガンは、雇用問題を除けば行政にとって楽な選択のようにみえるが、「官がすべきことは官が責任をもって」ということの裏返しである。PPPを契機に行政機関が学ぶべきことは多い。
III PPPにおけるモニタリングの重要性
PPPがその機能を果たすために不可欠な機能にモニタリング(注)がある。これは、公共サービスの水準確保と事業継続性を担保する重要な機能であり、PPP契約の前提条件として民間事業者募集の段階から明示すべきものであるともいわれている。
モニタリングは、まず公共サービス水準が契約条件を満たしているかどうかについて行われる。具体的には、民間事業者が公共サービス履行状況を示す指標を測定し、目標値との比較分析を行い、必要な改善策の立案・実行、サービス水準確保のための内部統制の整備運用を行い、その結果を行政に報告する。行政はこの報告を受けてその状況を確認することになる。もうひとつのモニタリングポイントは、民間事業者が事業を継続できる財務的安定性を確保しているかどうかである。民間事業者は一定期間ごとに財政状態と経営成績について監査を受け、行政に報告する。行政はこの報告およびさまざまな兆候から事業の安定性を評価する。
モニタリング機能は、契約してしまえばその前例を踏襲して継続するのみという行政機関の悪弊を改善するために、PPPに限らず行政全般について導入すべき機能であろう。
| 注: |
モニタリング:平成15年6月に民間資金等活用事業推進委員会による「モニタリングに関するガイドライン」において、モニタリングは、「選定事業者による公共サービス履行に関し、約定に従い適切かつ確実なサービスの提供がなされているかどうかを確認する手続き」と規定されており、その重要性も指摘されている。 |
IV 霞が関の研究会
筆者は、経済産業省・日本版PPP研究会に委員として参加した。この研究会は日本におけるPPP推進の障害となる規制等の制度的な問題を明らかにし、これを改善していこうとするものである。過去この種の検討が霞が関の研究会で行われる時は、所管府省の視点を中心に行われることが一般的であったと思う。しかし、この研究会にはPPPにおける民間側の受け皿となる民間企業関係者が数多く参加し、民間企業の視点に配慮されていた。官民パートナーシップを機能させるためには、その双方にとっての魅力をいかに両立させるかが課題である。日本版PPP研究会は、この点を踏まえた評価すべきチャレンジであったと思う。 |
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| 以上 |
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| 『リスクマネジメントBusiness』(株式会社ダイヤモンド国際経営研究所/2003年10月号)森田祐司執筆分より抜粋 |
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