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| 公会計改革 トピックス 2007.5.30 |
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| 動き出した自治体財政健全化法 |
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| 本部パブリックセクター 公認会計士 森田 祐司 |
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5月25日、衆議院本会議で「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(以下、財政健全化法)」が可決された。この法律は、現行の財政再建団体制度の50年ぶりの見直しであり、現行制度がいわゆる「夕張市問題」に十分に機能しなかったことを踏まえ、その問題点を改善した制度であるとも考えられる。
財政健全化法では、普通会計の実質赤字比率に加えて、公営企業まで含めた赤字の比率(連結実質赤字比率)、借金残高の財政負担(実質公債費比率)、公社・第三セクター(以下、三セク)に対する将来的な税金負担の割合(将来負担比率)をもとに、早期改善を目指す黄色信号としての健全化段階と、赤信号としての再生段階を規定している。すなわち、病院や交通などの公営企業や公社・三セクなどを含め、単年度フローだけではなくストック面にも配慮した財政状況の判断指標を導入するとともに、財政悪化を可能な限り早い段階で把握し、財政状態の改善に着手させるというしくみが織り込まれている。
今回の法律では債務整理(自治体破綻)制度の導入は見送られたが、地方財政計画の枠組みの中で暗黙の政府保証を前提として、自治体の借金について金融マーケットによる規律が働かない状況が今後とも継続するとは考えられない。将来的には、金融マーケットによる規律のもとでの自治体経営へ移行しなければならず、財政健全化法は、この移行を前提とした抜本的改革の第一歩であると認識すべきであろう。
そのため、財政状況の判断指標については、監査委員の審査対象として情報の信頼性を確保し、議会に報告させることで、議会によるガバナンスの強化を図っている。また、黄色信号や赤信号がついた自治体や公営企業については、健全化計画等について、議会の監視下に置くとともに、地方自治法に基づく個別外部監査の強制導入を規定している。更に、都道府県や総務省による指導・監督が制度化され、状況によっては、自治体自身の意思に係わらず、財政状況の悪化により地方自治の一部制限を行うことを織り込んだものである。
この法制は、平成19年度決算数値から財政状況の判断指標が公表されることになっている。詳細な指標算定手法は今後省令で定められる予定であるが、既に執行中の平成19年度財政判断指標は、当初予算が可決されているため実質的に決まっており、その数値が公表されるまで、あと1年を残すのみである。そして、財政健全化団体・再生団体の措置がなされる基準となる平成20年度の予算編成は目の前に迫ってきている。財政健全化法への自治体、監査委員、議会の対応は、もう待ったなしである。
なお、衆議院総務委員会では次のような6項目にわたる附帯決議がなされた。
1.地方分権の観点から国の関与への配慮
2.財政指標算出方法や基準比率の設定に当たっての地方6団体の意見反映
3.弁護士・公認会計士等の有資格者の監査委員登用等により、監査委員の独立性・専門性の向上
4.再生振替特例債の発行が認められることを受け、地方債残高の縮減努力
5.企業会計を参考にした連結ベースの地方公会計制度整備の推進
6.地方債の引受状況の実態開示
このうち、特に地方公会計制度整備と財政健全化制度の関係については『自治体財政健全化法案についての誤解』(2007.6.6)にて解説する。
※本文中の意見に関わる部分は私見である。 |
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| 以上 |
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