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| 公会計改革 トピックス 2007.10.24 |
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| 「新地方公会計制度実務研究会報告書」の公表と今後の取り組み |
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| 公認会計士 小室 将雄 |
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1.「新地方公会計制度実務研究会報告書」の公表
去る平成19年10月17日、総務省から各地方公共団体に対して、総務省自治財政局長通知「公会計の整備推進について」(以下「局長通知」という。)とともに、「新地方公会計制度実務研究会報告書」(以下、「実務報告書」という。)が公表された。多くの地方公共団体等の意見が寄せられたこともあり、実務報告書の公表までに相当の時間を要したが、いよいよ新地方公会計制度の幕は開けられたといえる。
局長通知は、「地方行革新指針」などのこれまでの経緯を記載し、公会計の整備推進を求めているが、『財務書類の公表に当たっては、別紙「財務書類の分かりやすい公表に当たって留意すべき事項」を参考にして、住民等に分かりやすい公表に留意すべき』という新たな視点が示されている。これは、民間企業と違って、開示対象者(読者)には会計に関し一定の知見を有するとは限らない住民等も想定されるため、彼らへの配慮が必要であるという趣旨によるものである。すでにこれまでの各団体の取り組みの中で、分かりやすい開示を目指した事例も見受けられたが、各団体の事情に応じたより一層の工夫が期待されるといえる。
2.自治体財政健全化法と公会計の整備
『自治体財政健全化法案が可決成立』(2007.6.20)でも紹介しているように、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律(自治体財政健全化法)」が第166回国会で可決成立し、平成19年6月22日に公布されている。同法は平成21年4月1日施行であるが、図1のスケジュールのとおり、連結実質赤字比率などのいわゆる「健全化判断比率(4指標)」の算定・公表は平成19年度決算から求められており、決して先の話ではない。また、具体的な指標の算定方法などは、年内に政省令の形で公表される予定であることから、これにも留意が必要である。
図1 財政健全化法のスケジュール

一方、このたびの公会計の整備推進との関係であるが、直接的な関係はないというのが筆者の解釈である。しかしながら、先の通常国会の同法に関連する審議において、「地方公共団体財政健全化法の前提となる公会計整備」についての質問に、当時の総務大臣は「早期に公会計を整備すべきとの認識を持っている」との答弁を行い、同法のスケジュールを踏まえ、早期の公会計の整備が必要との方針を示したものと考えられる。
実際に実務報告書では、「地方行革新指針」を踏まえて平成21年秋(町村などは平成23年秋。以下同様)を目処に連結ベースでの財務書類4表の整備を求めているが、第1部『「新地方公会計制度実務研究会報告書」をまとめるにあたって』の第22段落において、『しかしながら、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」に基づく健全化判断比率が、平成19年度決算に基づき平成20年秋に公表されることもあり、例えば平成20年秋を目処に平成19年度決算の連結財務書類4表を(あるいは連結貸借対照表のみでも)開示するなど、早期に財務書類を整備の上、公表することが期待される。』との記述があるなど、早期の整備を促している。
これらのことは、同法第4条第2項または第8条第3項で策定が求められる「財政健全化計画」または「財政再生計画」において、「健全化判断比率/再生判断比率が早期健全化基準/財政再生基準以上となった要因の分析」を求めていることと関係していると考えられる。すなわち、財政判断指標が悪化した要因を分析するにあたっては、歳入歳出の状況分析のみでは限界があり、実務報告書に基づき作成される貸借対照表などの財務書類4表から得られる情報の活用が有効であるということである。筆者がいくつかの団体でいわゆる「集中改革プラン」の策定をサポートする際に、現行の総務省方式で作成されたバランスシート等を実際に活用した経験からもその有効性は確かなものであったと考える。
また、財務書類4表の活用は、財政状況が悪化した団体に限られるものではなく、財務書類4表を作成して自団体の経年数値の比較分析、近隣団体もしくは類似団体との比較分析を行うことにより、自団体の特徴の把握、財政面での課題抽出、より充実した住民への財政状況の説明などに活用することができるのである。
3.各団体における今後の取り組み
2.で整理したように、平成21年秋もしくはそれよりも早い段階での公会計の整備が求められているため、各団体においては計画的に取り組みを進めていくことが求められる。しかしながら、財政状況が厳しくなる中、職員数が削減されるような環境で対応していくためには、公会計の整備推進の目的に照らして作業内容に優先順位をつけて対応することが効果的であると考えられる。また、財政的な負担や職員の負担を考慮すれば、全庁的な協力も得ながら作業を平準化・軽減することも必要であろう。
図2は、作業内容の優先順位や負担の平準化・軽減も視野に入れ、実務報告書で示された「総務省方式改訂モデル」に基づき、連結ベースの財務書類4表を平成21年秋までに整備するスケジュールと作業手順の一例を示している。たとえば、全資産の評価を一括して行うのではなく、将来現金化することを念頭に置いた売却可能資産や税金等の未収金の評価を優先的に行い、段階的に資産台帳を整備していくというものである。これにより、「資産の適切な管理等」という目的を優先度の高いものから順に達成することができるとともに、財務書類の精度を上げることができると考えられる。
図2 連結財務書類4表作成に向けたスケジュール例

以上を踏まえ、各団体においては、できるだけ早い時期に平成21年秋までのタイムスケジュールを立て、全庁的な整備体制を確立して計画的な推進を図っていくことが必須であると考える。
※本文中の意見に関わる部分は私見である。 |
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| 以上 |
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