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公会計改革 トピックス 2007.10.31
新たな地方公会計制度のスタートに当たって
公認会計士 森田 祐司
思えば新地方公会計制度研究会に委員として参加し、本制度について議論を始めたのは1年半前になる。いよいよ10月中にも「新地方公会計制度実務研究会報告書」が公表されるとの連絡が入ったとき(注:本報告書は10月17日に公表された)、移動の車中で『豊潤なる企業−内部統制の真実』(鳥飼重和著・清文社2007年)を読んでいた。いま民間企業に導入されつつある内部統制について、企業経営の目的達成に不可欠なものとして積極的な取り組みを説く著者の主張に感銘を受けた。と同時に、新たな地方公会計制度についても同じことがいえることに気がついた。それは、公会計改革に対する自治体の姿勢がどうであるか、という観点である。
そこで、自治体首長、職員の方々に問いたい。みなさんは新たな地方公会計制度への取り組みについてどのようにお考えであろうか。

新たな地方公会計制度を、主体的・自律的に考えて、効果的・効率的な行政経営やそれによる住民福祉の向上、地域の発展に活かそうとする自治体がある。そのような自治体は、制度で作成や開示が強制されている内容にとどまらず、活用の観点から更に発展的な取り組みを自主的に進めているともいえる。

一方、残念ながら、新たな地方公会計制度を、地方自治に対する規制の強化だと受身に考えて、作成が義務付けられているという拘束面に囚われた自治体もあると思われる。そのような自治体では、自治体経営に役立つかどうかなどの活用面は二の次で、単に面倒でコストのかかる新たな事務の一つとして捉え、要求最低限で、できるだけ負荷のかからないようにし、さりとて消極的な自治体とは思われたくないと、形だけ整えることが多いのではないだろうか。しかしながら、このような他律的な取り組みでは表面上の開示情報は作成できても、その内容を十分理解することはできず、結果として享受できる効果は極めて限定的になるであろう。
新たな地方公会計制度は、これまでの自治体会計制度に欠落していたストック概念、コスト概念を取り入れ、行政資源全般を視野に入れることが求められている。また、世代間負担のバランスを図りながら、自治体経営と住民をはじめとする自治体のステークホールダーとのコミュニケーションとして有効な取り組みであることはいうまでもない。

もし自らの自治体の財務情報の整備状況が、新たな地方公会計制度での要求水準と比べて遅れているようであれば、今回の制度導入をチャンスと捉え、自律的な取り組みをスタートしていただきたいと切に願うものである。

※本文中の意見に関わる部分は私見である。
以上
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