| ニュース&ナレッジ |
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| 情報・メディア・通信 (TMT:Technology, Media & Telecommunications) |
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| トピックス 2006.4.12 |
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| Thought Leadership コンバージェンス 1兆ドルへの挑戦 |
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| デロイトリサーチ編著/抄訳・加筆 池末 成明 |
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通信と放送の融合が話題になっています。融合は、コンバージェンスの訳語で、その語源は2つの川の流れがひとつになることをいいます。技術の世界では、複数の電子ビームを1点に収束させたり、異質の機能を結合させることなどをいい、デジタル技術をベースにしたコンバージェンスをデジタル・コンバージェンスともいいます。通信と放送の融合という意味でのコンバージェンスの最初の発想の原点のひとつは、MITメディアラボの創設者であるNicholas Negroponteに始まるといわれています。Negroponteがテレビと印刷とコンピュータが一体となる時代を予見したからです。トーマツでは、5年ほど前から、情報・メディア・通信の3つの業界がTMT業界(Technology, Media and Telecommunications Sector)という1つの産業に融合し、さらには他の産業をも巻き込んで成長すると考えてきました。これは現実のものとなりつつあります。
欧米では、「コンバージェンスは、ITバブルの崩壊とともに消え去った」と考えられていました。しかし、コンバージェンスの失敗の原因は、顧客ニーズを無視して、製品にむやみやたらに機能をつめこむだけのコンバージェンスだったり、単なる投資目的のM&Aだったりしたことにあります。この反省から、欧米ではコンバージェンスを見直す機運が生まれ、2005年の初頭には、再びメディアでも好意的に受けいれられるようになってきたようです。2004年あたりから、日本でも、一般的にも「融合」が話題にのぼるようになりました。
TV業界では、「通信と放送の融合」という用語を使わず、「放送と通信の連携」といいますが、このトピックスでは、融合でも連携でもなく、コンバージェンスと呼ぶことにします。なぜなら、コンバージェンスは、融合や連携だけでなく、もっと広範囲な概念だからです。
なお、このトピックスでの意見に関する部分は私見です。
1.コンバージェンスを促進する原動力
デロイト トウシュ トーマツのTMTグループのニュースレターであるThought Leadershipシリーズの『The trillion dollar challenge(1兆ドルへの挑戦)』によれば、コンバージェンスを促進する要因には、3つの原動力があります。技術革新、データのデジタル化、そして相互接続性です。
(1)技術革新
技術革新はコンバージェンスの原動力で、その可能性の領域を広げます。プロセッサー、ハードディスク、メモリーは、技術革新によって、より小型化し、より大容量に、より安価になりました。エネルギー効率も改善したため、設計者はひとつの機器に多くの機能や性能を搭載し、小型軽量の製品を作ることができるようになりました。超小型のHDDとフラッシュメモリが開発され、手ごろな価格まで値下がりしなければ、MP3プレイヤーの量産は難しかったはずです。
今後、携帯電話用の半導体は、高画質映像と利用者の音声認識をサポートする設計を可能にすると思われます。バッテリー技術についても、急速充電から高容量・長寿命まで、多くの企業があらゆる次元で技術の向上を図っています。
(2)データのデジタル化
情報は、さまざまな物理的な形態によって表現されてきました。文字は紙の上、絵画はキャンバスに、音楽はレコード盤に、そしてコンピュータのプログラムでさえ紙のカードに打ち込まれていました。今日では、すべてのデータを扱えるコンバージェンス型の機器やサービスが実現し、写真、電子メール、音楽、ゲーム、ラジオ、テレビ、映画、ニュース、電話の通話をはじめ、毎日のスケジュールまで、あらゆる情報が「1」と「0」のデジタル情報に置き換えられています。
(3)相互接続性
通信ネットワークは有線、無線ともに普及し、スピードもアップしました。「ユビキタス社会」、すなわち誰もがいつでもどこからでも情報ネットワークに接続できる社会は、製品とサービスの性格を根底から変えました。製品は相互接続を前提に設計され、相互接続のおかげで、製品やサービスは、デジタル化したコンテンツを発信し、流通させ、受信するコンバージェンス性を持つ装置へと変貌しました。
相互接続は、ビジネスモデルの変化を促進します。パソコンはいまやレコード店であり、ゲーム機であり、電話や写真スタジオやビデオ編集室、さらには電子手帳の役割も果たすようになっています。ゲーム機は、ひとりで遊ぶスタンドアロン型ではなくオンラインゲーム機器になりました。
相互接続は、インターネットやパソコンの普及を分析したバンドワゴン理論でもキーワードになっています。バンドワゴン理論は、いわば「勝ち馬に乗る」戦略で、戦前の日独伊同盟や戦後の日米同盟を説明したネオリアリストの理論です。従来の経営理論が勢力が平衡している時代に適しているのに対して、バンドワゴン理論は、激動の時代に有効な手法のひとつと思われます。バンドワゴン理論は、相互接続性とともに、次のコンバージェンスのタイプの重要な要素となります。
2.コンバージェンスのタイプ
目にみえる形のコンバージェンスの姿は、製品とサービスのコンバージェンスです。しかし、製品とサービスのコンバージェンスは、プラットフォームのコンバージェンスと組織のコンバージェンスがあってこそ達成可能です。 |
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| 『The trillion dollar challenge』より転載 |
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(1)プラットフォームのコンバージェンス
プラットフォーム・コンバージェンスには次のような例があります。
コンテンツやデータの
標準デジタルフォーマット
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JPEG、MPEGなど |
| ネットワークの相互接続技術 |
無線LANから携帯電話ネットワークの相互接続 |
コンテンツやデータを保存する
記録媒体のフォーマット |
コンピュータゲームの経過や写真を記録するメモリカードや映像を録画するDVDなど |
| ネットワークの標準フォーマット |
電子取引から通信まで、消費者、企業、政府をつないだインターネットプロトコル(IP:Internet Protocol) |
TMT企業は「勝ち馬」のプラットフォームをベースにして初めて、コンバージェンス型の製品やサービスを開発し、事業開発をできます。また、プラットフォームによって、さまざまなコンテンツがクリエイターからプロデューサーへ、サプライヤーから消費者へと、コンバージェンスの相互接続性によって、「流通」します。
(2)組織のコンバージェンス
コンバージェンス型の製品やサービスは、ビデオ・オンデマンドや音楽のダウンロード、インターネット・ラジオや携帯電話の着信メロディー(着メロ)であろうと、2社以上の組織が関わる必要があります。コンバージェンス型の製品やサービスの開発や提供には、M&Aであれ、投資であれ、アライアンスであれ、単なる供給関係であれ、まったく異なる組織がコラボレーションする必要があります。これが組織のコンバージェンスです。
私どもが最も関心を持っているコンバージェンスが、組織のコンバージェンスです。組織のコンバージェンスでは、相互利益とWIN-WINの関係を作ることが重要ですが、その根底にある動機づけは、「勝ち馬に乗る」戦略、バンドワゴン戦略となります。
(3)製品とサービスのコンバージェンス
プラットフォームのコンバージェンスは標準化と統合を重視しますが、製品とサービスのコンバージェンスは革新と多様性を重視します。優れた製品とサービスのコンバージェンスは、既存の要素を組み合わせて新しいものや違うものを創造し、絶えず変化する多様な市場のニーズに対応できるのです。
3.1兆ドルへの挑戦
デロイト トウシュ トーマツの調査によれば、2010年までにコンバージェンスの市場規模は1兆ドルに膨らみます。この中でも最も重要なサービスはVoIP(Voice over Internet Protocol)で、来年2007年には1,960億ドルに達すると思われます。また、次世代のデジタル音楽プレイヤーやホームエンターテインメントサービス、家庭用テレビ電話などを含むIP機器は、トータルで約2,000億ドルの市場規模になると思われます。
音楽や動画のダウンロード配信は、一般的な流通形態となっていくでしょう。すでに数十億ドルの市場となっている着メロの人気も上昇をつづけるでしょう。また、スポーツや劇場のコンテンツ配信は、新たな、そして利益の見込める収入の機会への扉を開くでしょう。
TMTグループのニュースレターであるThought Leadershipシリーズの『The trillion dollar challenge(1兆ドルへの挑戦)』の英語版および全訳はPDFでご用意しております。ご関心のある方は、こちらよりお問い合わせください。 |
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| 以上 |
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2008 Deloitte Touche Tohmatsu, Tohmatsu Tax Co. All rights reserved. |
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| Deloitte(デロイト)とは、スイスの法令に基づく連合組織体のデロイト トウシュ トーマツおよび相互に独立した個別の法的存在であるネットワーク組織のうちのメンバーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイト トウシュ トーマツとメンバーファームの法的な構成についての詳細は、www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください。 |
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