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| トピックス 2006.4.12 |
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| Thought Leadership コンバージェンス 利益を生む7原則 |
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| デロイトリサーチ編著/抄訳・加筆 池末 成明 |
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コンバージェンスは、同一のプラットホームからなる異なる機器やネットワークを有機的に結合させ、異なる製品やサービス、異なる組織を融合させることをいいます。コンバージェンスは、異なるビジネスを結合させますので、新たなビジネスモデル構築への契機となり、バリューチェーンやパワーバランスを一変させます。このトピックスでは、デロイト トウシュ トーマツのTMT(Technology, Media, and Telecommunications Sector)グループのニュースレターであるThought Leadershipシリーズの『The trillion dollar challenge(1兆ドルへの挑戦)』で打ち出した「利益を生むコンバージェンスのための7原則」を簡単にご紹介します。
なお、このトピックスでの意見に関する部分は私見です。
1.コンバージェンスの原動力は顧客のニーズであって、テクノロジーではない
コンバージェンスの成功の秘訣は、他の技術革新や開発戦略、成長戦略と同じように、顧客ニーズを具体的に把握したうえで実施することにあります。私見ですが、技術者が隠れて開発した製品は、しばしば大成功を収めますが、失敗もあります。しかし、顧客のニーズを重視すれば失敗のリスクを下げることができます。
2.出遅れると敗者になる
コンバージェンスは限界に挑戦するものです。そして、最大の成功者は、限界を突破した企業、最初に市場への先鞭をつけた企業、それにすぐに追随した先見性のある企業です。コンバージェンスはリスクの高いビジネスです。しかし、何もしないでいることほどリスクの高いものはないのです。リスクテイクをしながらも、リスクをきちんと計算できる企業が、最大の収益をあげます。
3.タイミングがすべて
コンバージェンスの製品やサービスは、時機をみて発売する必要があります。そのためには、新製品や新サービスに対してサプライヤー、顧客、テクノロジーの準備が整っていることが必要です。
ビデオ・オンデマンド(VOD)やIPテレビ(IPTV)などのコンバージェンス型のサービスは、健全な事業化は見込めても、適切なテクノロジーが開発されない限り、主力のアプリケーションになることは難しいと考えられます。
また、コンバージェンス型のサービスは市場化も遅れがちです。顕著なケースがオンライン・ミュージックストアです。このケースでは、コンテンツのサプライヤーの取り組みが遅れました。このサービスは、MP3やデジタル音楽プレーヤーの市場規模の拡大からだけではなく、MP3フォーマットの違法ダウンロードが多発していたことからも、その消費者需要も見込まれていました。現在、オンライン・ミュージックは売上高が着実に増加し、世界の音楽売上高の6%を占めたことから、事業としての可能性が高まっています。
4.事業化への発想がコンバージェンスの効果を最大化する
コンバージェンスを実現するためには、技術革新が大きなカギです。しかし、同時に、コンバージェンスが旧来のビジネスモデルをどう改善しうるのかをよく把握することも必要です。
音楽とニュースは、コンバージェンス型の製品とサービスの開発対象です。相互接続機能の向上とさまざまな機器の登場で、音楽とニュースはかつてないほど自由に聞くことができるようになりました。
音楽は、携帯電話への浸透が順調に進み、着信メロディー(着メロ)による売上高は2008年には全世界で50億ドルに達する見込みです。これは2004年のオンライン・ミュージック売上高の10倍の規模です。音響機器で聴く音楽は楽しみのためですが、携帯電話の着メロはパーソナライズ機能による喜びのためにあります。パーソナライズは、コンバージェンスの成功のひとつのキーワードだと思います。
一方、新聞社はWebサイトの開発に多額の投資をしたものの、その結果につき満足していないようです。ブログが新聞を放逐するという見解には賛成できませんが、そこに新聞社が成功するヒントが隠されていると思います。成功への変容は、すでに出回っているテクノロジーやサービスの中に、全く新しい視点が射したときに生まれるからです。
5.コンバージェンスの世界では、勝者と敗者がたえず入れ替わる
コンバージェンスのサイクルは複雑でダイナミックです。したがって、企業は、関連する製品とサービスの開発に向けて戦略や事業をつねにモニターし、刷新しなければなりません。
少し前までは、ビデオ・コンテンツの販売手段としてVHS方式のカセットビデオが主流でしたが、今では1996年に規格が統一されたDVDが主流になりつつあります。
6.コンバージェンスとダイバージェンスは共存できる
ダイバージェンスとは、コンバージェンスとは逆に、機能を削ぎ落とし、よりシンプルで廉価な製品やサービスを作ることをいいます。コンバージェンスとダイバージェンスの組み合わせは強い力を発揮することがあります。ダイバージェンスの重要性は、トーマツ コンサルティング株式会社でも、その分析を進めようとしています。
たとえば、ブロードバンド機能を使ってデジタル音楽を消費者に届けるオンライン・ミュージックストアは、コンバージェンス型のサービスとして順調に伸びています。しかし、オンライン・ミュージックが生み出す価値の大部分はダイバージェンスであるMP3プレーヤーによるものです。
7.コンバージェンスは、それに関わる当事者全員にメリットをもたらす必要がある
(1)多額な投資の共有
本格的なコンバージェンス型の製品やサービスを生み出すためには、多額の投資が必要です。今後5年間でTMT業界に属する企業が直面する収益機会の大部分は、一企業単独では対処できないほど事業範囲や規模が大きいものとなると思われます。このような新しい収益機会を生かしていくためには、アライアンスやパートナーシップの形成が不可欠となります。テクノロジー業界では、携帯電話機ベンダーは、移動体通信機器用のOSであるSymbianの開発を目的とするアライアンスを組んで、開発コストを共有しています。メディア業界では、コンテンツの製作者とスピンオフにより設立された玩具メーカーに代表されるライセンシーが共同生産した製品の人気が、高まりつつあります。通信サービス業界では、仮想移動体サービス事業者(MVNO:Mobile Virtual Network Operator)が、第二世代の通信網資産を活用するとともに、第三世代(3G)の通信網を共有するというアプローチを取っています。
(2)クロスマーケティング
組織のコンバージェンスによって、お互いに製品のライフサイクルを管理し、売上の「食い合い」を避けることができます。また、たとえば、同じ映画から、ゲーム、着信メロディー、テーマ曲などへの多面的に展開し、相互に販売促進を行うことで、お互いのマーケティングの効果を最大化できます。これをデロイト トウシュ トーマツではクロスマーケティングと呼んでいます。今後5年間は、このようなクロスプロモーションが例外的な手法ではなく主要な手法になっていき、その内容はより多様化していくと思われます。
(3)M&Aと戦略的アライアンス
M&A、戦略的アライアンスや合弁事業では、コンバージェンスが順調に進んだ半面、目立った失敗もありました。失敗の原因は、「コンバージェンス」と「M&A」を同一視してしまうことから生じます。M&Aだけがコンバージェンスの手段ではなく、さまざまな可能性のうちのひとつとしてM&Aがあることも理解しておく必要があります。
また、コンバージェンスの成功のためには、関係当事者が十分かつ公平なメリットを享受することが必要です。コンバージェンスのプロセス、製品やサービス、アライアンス関係を一企業が支配すると、成功の確率は低くなります。プロダクトの開発や販売の一要素だけが突出すると、それはコンバージェンスではなく製品ラインの拡充や下請関係の強化になります。TMT企業は、主要なパートナーを探し、パートナーシップを形成すると同時に、そのパートナーシップに参加することで、公平な利益配分を受けられるかどうかを確かめる必要があります。 |
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| 以上 |
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| Deloitte(デロイト)とは、スイスの法令に基づく連合組織体のデロイト トウシュ トーマツおよび相互に独立した個別の法的存在であるネットワーク組織のうちのメンバーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイト トウシュ トーマツとメンバーファームの法的な構成についての詳細は、www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください。 |
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