| ニュース&ナレッジ |
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| 情報・メディア・通信 (TMT:Technology, Media & Telecommunications) |
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| トピックス 2007.4.25 |
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| Media Predictions 2007, TMT Trends メディア |
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| デロイトリサーチ編著/抄訳・訳注 公認会計士 伊藤 雅之 |
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はじめに
このトピックスは、デロイト トウシュ トーマツ(以下、DTT)の情報・メディア・通信(TMT:Technology, Media and Telecommunications)グループが編集した「Media Prediction, TMT Trends 2007」を抄訳し、訳注を付したものである。
ユーザーコンテンツの有効活用
2007年はユーザー作成コンテンツが、おそらくかつてないほどの規模に成長し、既存メディアの制作量を徐々に補完する可能性がある。デジタル・ユーザーが作成したコンテンツはしばしば、既存メディアに対する征服者としての役割を担わされてきた。しかし2007年も、それ以降も、専門家向けの高性能ビデオカメラやパソコン、携帯電話を持ったからといって、多くの人が突然、才能を開花させるような奇跡は起こりそうにない。
一部のユーザー作成コンテンツは、専門家集団であるメディア業界を侵略ではなく擁護する存在と見られるようになるだろう。専門のメディア世界で一定の役割を果たす可能性が高い。メディア企業は、ユーザー作成コンテンツを紹介するオンライン・チャネルが販売促進のための強力な新ルートになるばかりか、新たな才能を発掘するための効率的で有効な媒体になりうることにも気づくはずだ。
伸びるテレビ視聴者参加番組
視聴者参加拡大の大きな原動力となったのは、ブロードバンドの普及や世界の誰もが所有するようになった携帯電話、何千もの同時通話やテキストメッセージを処理できるプラットフォームの開発というテクノロジーの進歩である。視聴者参加や投票、「コンペティション・テレビ」、テレビ・ショッピングなどの主要形態はすべて、テレビ番組からの要請に視聴者が答える形式をとっている。
2007年には投票の売り上げが何億ドルにものぼる可能性がある。テレビ・ショッピングの売り上げも世界全体で数十億ドルに達する可能性がある。視聴者が電話をしてゲームショー・フォーマットのコンペティションに参加する「コンペティション・テレビ」は、利益を増やす手法として世界中のテレビ局でさらに広がりそうだ。欧州諸国では、コンペティション・テレビは1分当たり最高2ドルの料金で、1時間に最大数万件の通話を生み出す可能性がある。とはいえ、テレビ業界は、視聴者参加が万能薬と考えないほうがいいだろう。
進展容易ではない中国市場
中国は、2007年も引き続き最もじれったいメディア・セクターのひとつとなりそうだ。中国の一般テレビ放送とケーブルテレビは着実な発展を遂げ、2009年までに市場規模188億ドル、5年間で66%増になると予想されている。映画、娯楽産業は2009年に1,430億ドルと、5年前のわずか464億ドルから急成長する見通しだ。
しかし、中国の13億人という人口は膨大な潜在力を感じさせるものの、2007年も、おそらくそれ以降も失望させるくらい進展は容易ではないと考えられる。約8億人が比較的貧しい地方に住んでおり、最新のメディアにアクセスしにくい状況に置かれているからだ。中国市場に狙いを定めているメディア企業は、2007年の事業機会について現実的な見方をとったほうがいいだろう。中国はチャンスと困難が入り混じった、他に類を見ない独特の市場である。その市場への進出は、規模やアプローチの仕方、タイミングにおいて他とはまったく異なると考えられる。
メディア企業が、本国で採用したのと同じビジネスモデルをそのまま移植して中国に進出しても成功しないだろう。緻密さと忍耐力が必要であり、長期的な戦略的アプローチをとるメディア企業が最も成果を収めるとみられる。
共存する紙とデジタル
紙媒体とデジタル媒体の関係は、必ずしも敵対しあうものではなく、むしろ共生的で相互利益をもたらす共存関係にあると考えていいようだ。したがって、出版業界は2007年、二つの分野に注目することでより確かな未来を築くことができる。すなわち、他の媒体による複製が不可能な紙の独特な性格を理解し活用することと、インターネットの脅威をビジネスチャンスに変えることである。
2007年はデジタル出版、物理的な出版とも、きわめて好調に推移し、インターネット広告は200億ドル産業への道を着実に歩みそうだ。しかし、依然として4億3,900万人が毎日、新聞を購読している。毎年、14億冊の雑誌が販売されており、書籍の販売量は年間30億冊を超えている。フリーペーパーが広がりを見せているのは、新聞の発行部数が急減している米国のような市場さえ、活字媒体に対する需要が根強いことを示している。そして最も重要なのは、フリーペーパーが若い読者層に訴えかける力を持つとみられる点だ。
2007年は、若者の関心と支持が戦略上の大きなカギになると予想される。活字メディア各社は売り上げの伸びを支え、新たな取り組みを推進し、コア・ビジネスを守り、顧客との関係を強化するため、紙媒体とデジタル媒体の両方をさらに多角的かつ創造的に活用するとみられている。
ロングテールの限界
メディア・セクター企業の多くは、ロングテールが万能薬であるかのように歓迎するかもしれないが、それさえあれば自社のアーカイブの全タイトルが自然に訴求力を取り戻すわけではない。インターネット上では膨大な量のコンテンツが販売されているうえ、検索ツールや推薦ツールが未発達な段階にあるため、その中でヒット作の販売量のほんのわずかでも売るのは容易ではないだろう。要するに、売り上げの過半数が少数の商品によって生み出されている。
このため、2007年はロングテールの潜在的リストがさらに長く伸びるとみられる一方、最も動きがよく生産性が高いのは「テール」が始まる、厚くて短い部分になりそうだ。メディア企業は、ロングテールの限界を認識しながら活用すべきである。
新しい評価指標が必要
2007年は、従来型メディアとニューメディアの業績を同一条件で比較する評価指標の必要性が一段と高まりそうだ。旧来の手法は別々の評価指標を使用していたため、ニューメディアの業績が誇張され、従来型メディアの実力が過小評価される傾向があった。新しい評価指標を採用すべきである。新旧ともあらゆる種類のメディアの相対的な業績を明確に示す、バランスの取れた比較可能な統計を用いることが必要である。
2007年のメディア企業の課題は、消費者の価値のとらえ方が、市場ごとに、またセグメントごとにどう変わりうるのかを推測することである。この価値観の変わりやすさのいいところは、ある市場のフォーマットの価格が減少しても、別の価格の上昇によって相殺できるとみられる点だ。2007年は、あらゆるメディアの料金について多くの実験的な動きが出てきそうだ。例えば、無料放映されていたテレビ番組が、インターネットのダウンロードを通じて販売されるようになるかもしれない。
しかし長期的には、昔から常に変わらない法則がここでも生きるだろう。消費者はどういう形態であろうと、いつでも最も良質なコンテンツに惹かれ、喜んで料金を支払うということである。
15メガバイトで有名になる
ソーシャル・ネットワーキングは2006年、多くのユーザーを獲得して大躍進した。2007年は、この大量のユーザー・ベースをどう利益に結びつけるかが重要な課題となるだろう。ソーシャル・ネットワーキングは、15メガバイトで有名になる場をすべての人に無料で提供するものとして最もよく知られており、15〜30歳の若い年齢層で支持が高い。ソーシャル・ネットワーキングが売り上げの機会を得られるとしたら、それは有料でギガバイト級のプライバシーを提供することかもしれない。
ソーシャル・ネットワーキング・サイトは、社会的地位のある成熟した社会集団を対象とするサービスを検討すべきだろう。家族同士や専門家、科学者など、結束の固い集団は最先端のソーシャル・ネットワーキングを求めていると考えられ、社会的交流を進めるうえでデジタル時代の恩恵に浴せる安全なサービスに対しては、高額の料金を支払ってもよいと考える傾向が強いはずだ。
待ちぼうけのVOD
2007年は、インターネットのVOD(ビデオ オン デマンド)経由でパソコンにダウンロードできる映画の本数が、飛躍的に伸びるとみられている。VODの魅力は、早く映画を見たいという21世紀の消費者の欲望を掘り起こす力を持つとみられる点だ。
しかし、対応可能なVODの市場はきわめて小規模にとどまる可能性が高い。2007年の年初時点で消費者のブロードバンド接続はほぼ3億件と予想されるものの、高画質VODを十分にサポートできるだけの速度を持つのはその5%にも満たないだろう。2006年末の世界の消費者ブロードバンド接続数は推定2億8,500万件だったが、高画質のVODをサポートできるだけの速度を確保できたのはわずか1,400万件とされる。
したがって、メディア企業はVODを万能薬と考えず、多様化する販売ルートのひとつととらえるべきである。ヒット作をすぐに手に入れたい多くのDSL加入者にとっては、近所のビデオレンタル・ショップに出向くのが最も手っ取り早い方法かもしれない。
表1:ビデオ・ファイルの推定ダウンロード時間
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1Mビット/秒 |
2Mビット/秒 |
4Mビット/秒 |
8Mビット/秒 |
| 30分SDテレビショー |
34分 |
17分 |
14分 |
7分 |
| 90分SD映画 |
1時間40分 |
50分 |
25分 |
13分 |
| 2時間HD映画 |
17時間8分 |
8時間34分 |
4時間17分 |
2時間8分 |
注:SD、HDプログラムのエンコード速度はそれぞれ800Kビット/秒、6Mビット/秒と想定。ダウンロードの時間は、帯域とコンテンションの問題を考慮して可能なダウンロード速度の70%としてある。
出典:Enders Analysis、2006年
仮想世界の経済(バーチャノミックス)
2007年は、バーチャルな世界で行われる取引の、現実の世界での価値が高まる可能性が高い。多人数同時参加型オンラインゲームである「セカンドライフ(Second Life)」の2007年のGDP総額は、7億ドルに近づく可能性がある。「プロジェクト・エントロピア(Project Entropia)」は年間1億6,000万ドル前後の売上規模があり、仮想現実では、不動産1件が現金10万ドルで販売された。仮想世界の会員は、現実世界の現金自動預け払い機を使って仮想の銀行口座から現金を引き出すことができる。
しかし、仮想世界でそれなりの生計を立てられるのはほんの一握りの人にとどまりそうだ。仮想世界の経済が月次ベースで10%拡大したとしても、2007年末時点の1人当たりGDPは年間700ドル未満にとどまる。ゲーム業界は、空想ゲームの対象市場の規模が実際はどれほどあるのかを自問してみるべきである。政府は、仮想経済のメカニズムを犯罪行為に悪用しようとする動きに注意を払うべきである。マネー・ローンダリングの新手法として、デジタル加工物や仮想通貨の取引が利用される可能性がある。
訳注:
ネットワークの中立性で特に注目を集めているコンテンツについて、総務省は、「コンテンツ取引市場の形成に関する検討会」を開催しており、放送番組等のコンテンツの制作力や発信力の充実等を通じ、コンテンツの取引を活性化するための対応のあり方の検討を行う。この検討会には、抄訳者も参加している。 |
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| 以上 |
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| Copyright |
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2008 デロイト トウシュ トーマツ |
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