| ニュース&ナレッジ |
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| 情報・メディア・通信 (TMT:Technology, Media & Telecommunications) |
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| トピックス 2008.5.28 |
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| Media Predictions 2008, TMT Trends メディア |
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| デロイトリサーチ編著/抄訳 池末 成明 |
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このトピックスは、デロイト トウシュ トーマツ(以下、DTT)の情報・メディア・通信(TMT:Technology, Media and Telecommunications)グループが編集した「Media Prediction, TMT Trends 2008」を抄訳したものです。
インターネット広告の前の暗雲
1993年、法律事務所にバナー広告が初めて販売されて以来、世界のネット広告は、わずか15年で420億ドルの産業に成長しました。しかし2008年、ネット広告の成長は鈍化するでしょう。その他のメディアと比較してインターネットは、その利用者数がまだ小さいため、テレビやラジオが広告媒体として再び見直されるからです。しかし、理由はそれだけではありません。消費者からのネット広告への風当たりが強まっているため、行政機関の規制強化やインターネット広告の表示を止めるセキュリティーソフトウェアが普及し、ネット広告の成長に冷や水を浴びせるからです。この対策として、広告業界は、ネット広告をメディア・ミックスの要素ととらえ、テレビや雑誌の広告と連動させたネット広告を促進するでしょう。
2008年の電子書籍市場は小規模のままでしょう。本という紙媒体に対する読者の深い愛着が壁になっているからです。しかし、文字のデジタル化が重要であることは間違いありません。ビジネス書・専門書は、一般の本と決定的な違いがあります。ビジネス書や専門書は参考のために読むのであって、最後まで読むことはあまりありません。むしろ、読者はビジネス書や専門書を特定の情報を探すために読みます。一方、一般の本は楽しむために全部読まれることが普通です。したがって、ビジネス書や専門書の参照文献こそデジタル化に最も向いているといえます。弁護士が過去数年の判例を参照できたり、研究室の科学者が関連のあらゆる研究資料を入手できれば、大きな価値があるのです。
リビングルームは環境破壊の脅威
2008年のメディア業界は、世論の環境保全への関心に影響されるでしょう。米国では、家庭の電気使用量に占める情報家電の比率も、大きく増えました。これは、テクノロジー、メディア、通信業界のコンバージェンス(融合)が進んだ結果、電力消費が跳ね上がったためだと考えられています。
たとえば、6,100万人が暮らす英国のピーク時の電力消費量は、1日当たり3,100万ワットですが、地上波デジタル受信機への更新によって平均的世帯の電力消費量は最大3%増加する可能性があるという報告もあります。北アイルランドでは一般世帯の電力消費量に占める情報通信機器とゲーム機の割合は、2020年までに50%に達するという予測があります。
テレビは、すでに3年前から、全米の住宅電力消費量の4%を占めており、この電力消費量は米国ニューヨーク州の全世帯のエネルギー消費量に相当します。ハードドライブ搭載のDVDレコーダーは、使用時の消費電力が最大60ワット、待機電力は5ワットです。第2世代のゲーム機は50ワット程度、第3世代ゲーム機の消費電力は200ワットです。実に4倍です。
家電業界は、二酸化炭素排出量を減らす省エネタイプの製品を開発し、売り出すなどの工夫も必要です。
インターネット・テレビが従来のテレビを延命する
「テレビの消滅近し」という新聞や雑誌の論評に反し、2008年の放送業界は良好に推移します。従来のテレビ局は、オンライン・チャンネルを既存のテレビ放送を侵食するものではなく、互いに共存していくメディアと認識するとよいでしょう。一方、新興のネットテレビは、従来型テレビ局を追い詰めるよりも、従来型のテレビ放送のコンテンツの新しい販売ルートとして貢献することで、高い収益を得られるよう工夫すべきでしょう。どちらの放送局も、それぞれ異なる視聴者をターゲットにしていることを認識するべきです。両者は競争相手ではありません。共存共栄すべきパートナーなのです。
たとえば、視聴者にとって、インターネット上で良質なコンテンツが増えれば、見逃した番組を見ることができるようになります。外出先でテレビが見られないときでも、インターネットにアクセスできれば、シリーズ物を続けて見たりスポーツを観戦したりすることができるわけです。消費者は、インターネットでも好きな番組が放映されるからといって、2008年中にこれまで見ていたテレビを廃棄してしまうとは考えられません。
放送局がインターネットの登場を恐れる気持ちは理解できます。しかし、その恐れは放送局自身が変化することを恐れる感情にすぎず、インターネット・テレビに対する恐怖ではないと思われます。そのことを深く理解した放送局から、成功の道をきっと歩み始めることでしょう。
インターネットの著作権侵害を克服できても偽コンテンツはなくならない
ネット上での著作権侵害が増えています。ブロードバンドの接続速度が速くなったため、動画やテレビ、ソフトウェアの著作権侵害も容易になりました。2008年は、著作権侵害に対する規制の強化や罰金を科すことで、著作権侵害の例も減るとみられます。
また、海賊行為を特定できる技術が進化するでしょう。たとえば、どのコンテンツがダウンロードされているかISPがモニターできる、ディープパケット・インスペクション(DPI:Deep Packet Inspection)といった技術が向上するでしょう。そうなれば著作権侵害を特定する作業が速くなり、接続拒否や告発も迅速に行うことができるようになります。しかし、罰金や技術の向上よりも良心に訴える教育のほうが著作権侵害を防ぐ効果が高いと思われます。
しかし、それでも海賊版のコンテンツはなくならないでしょう。それは同時にそのコンテンツの人気の尺度でもあるのです。
映画館は映画を見るだけの場所ではない
映画館は成長産業です。映画は過去10年、他の娯楽産業と比べてあまり新しい取り組みを行ってきませんでした。こうした順調な時期にこそ改革に乗り出す機会です。映画業界は、パソコン、インターネット、ゲーム機、スポーツの競技場からコンサートホールまで、他の娯楽との競合という脅威に直面しています。
一方、2008年はテクノロジーの進歩が映画館の改革を進めます。最大の変化がデジタル映画館の拡大です。デジタル映画館の大きな長所のひとつは柔軟性であり、スポーツやコンサートといったイベントを映写するようになります。この柔軟性が多様な観客を獲得します。
映画館はデジタル方式への移行を計画する一方、こうしたデジタルのスキルを持った人材の確保も検討すべきだと思われます。
音楽は再びパッケージに
音楽ファンはMP3プレーヤーにも音楽のライブ演奏にも喜んで数百ドルを支払いますが、MP3プレーヤーにダウンロードするデジタル音楽には平均20ドル前後しか支払いません。消費者は物理的なパッケージに入った音楽作品であればより積極的にお金を使う傾向があります。音楽業界は、デジタル・ダウンロードの柔軟性を提供しつつも、1枚のアルバムやあるアーティストのカタログ全部を録音したMP3プレーヤーやメモリスティックをパッケージにして販売するとよいかもしれません。1台のMP3プレーヤーを1枚のアルバム、あるいはひとりのアーティストだけの専用にすれば、コレクターの収集癖と顕示欲という人間の習性を満足させることができるに違いありません。メモリカードを梱包するパッケージを立派なものにすればするほど、その音楽にお金を支払ってもいいと思う顧客が増えるでしょう。
報道の一面の役割を果たすインターネット
従来型の報道機関は、自社の記事がインターネット発の素材を下敷きにしていることを認めてきませんでした。素人が書いたブログやポッドキャスト、ウィキは、信用できる情報源とはみなされていないからです。しかし、従来型メディアは市民記者がそのニュースを「すっぱ抜いた」のだと認めるようになるでしょう。また、2008年は従来型メディアがアナログとデジタルの壁を打ち破り、インターネットの世界でも存在感を示すようになると思われます。報道機関は何百年もの歴史を持ち、読者の信頼感も大きく国際的な存在感もあるわけです。ゆえに、素人や熱心なファンが書き手として台頭してきても、2008年あるいはそれ以降も地位が揺らぐことはありません。
2008年は素人や玄人はだしの人がメディアの目となり耳となって働きかけを強めることで、より豊かでグローバルな視点が提供できるようになるでしょう。最も規模が大きく、間違いなく最も成功していると、一般的に言われているウィキ・ニュースペーパーは、韓国の「オーマイニュース」です。これは65名前後のフルタイム記者と4万人の市民寄稿者による複合型事業です。オーマイニュースでは先ごろ、市民記者になりたい人のためのインターネット・コースを導入しました。このサイトは2002年の韓国大統領選に影響力を持ったことで高く評価され、現在、韓国語版、英語版の両方で提供されています。このモデルは、今後の報道の形のヒントになるかもしれません。
オフショアリングはコストダウンからクリエイティブに
メディア業界は、オフショアリング(海外委託)に消極的であるものの、昨年は10億ドル超のオフショアリングを行いました。2008年、メディア業界のオフショアリングは増加するでしょう。2008年は、経済見通しが悲観的であることから、コスト削減がオフショアリング進展の原動力になるだけでなく、よりクリエイティブな業務も外部委託するようになり、付加価値の向上も著しくなるでしょう。
各社はオフショアリングについて、どの程度経営が複雑になるのか、プロセスを再設計する必要性があるのか、またオフショアリングのメリットを活かすために国内スタッフの誰を再研修させる必要があるのかといった点を吟味しなければなりません。先見性のあるメディア企業は、すでに、どのプロセスを海外委託し、どこに拠点を置き、どのサプライヤーを使うのかを決めているようです。そのニュースが新聞のトップを飾る日も遠くないでしょう。
テクノロジーとメディアのコンバージェンス(融合)
メディア業界は、テクノロジーの進歩の恩恵に浴している業界のひとつです。2008年は、メディアとテクノロジーのコンバージェンスが多種多様な製品やサービス、あるいは企業を出現させるでしょう。このコンバージェンスされたサービスを成功させるためには、しっかりとした事業計画の策定が重要ですが、その成功のポイントは、次の通りです。
第一に、サービスが成功するためには、企業が技術よりも事業を重視することにあります。第二に、メディアとテクノロジーの価値を生み出すコンバージェンスは、ユーザーフレンドリーなサービスでなければなりません。第三に、そのサービスが提供されているどの市場においても法令に準拠している必要があります。
テクノロジーとメディアのコンバージェンスは製品とサービスの価格を下落させる可能性があるので、その成功に見合う利益を上げるためには多くの知恵が必要です。 |
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| 以上 |
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| ※全訳は、添付のファイルをご参照ください。 |
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2008 デロイト トウシュ トーマツ |
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