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第2回 監査計画 |
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| 監査業務のためのプランニング |
株主総会で監査業務のサイクルがいったん終了し、会計士は次の期の業務に入って行きます。監査業務のスタートにあたって最も重要な仕事が、監査計画の立案です。
監査計画とは、財務諸表の重要な虚偽事項を見逃さず、監査を組織的、効果的かつ効率的に実施するために、監査の基本方針を策定し、適用すべき監査手続、その実施時期や試査の範囲を決定することと定義されています。
どんな仕事も開始にあたって業務計画を立てるものですが、監査も例外ではありません。特に、1年間にわたる監査業務には財務諸表の虚偽の表示にかかわるさまざまな危険=リスクがつきまとっており、それらを十分考慮し、有効かつ効率的に監査手続きが実現できるよう、監査計画は慎重に立てられなければならないのです。 |
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| 監査リスクを最小限にするために |
監査計画の内容に触れる前に、監査上のリスクとはどのようなものかを知っておくべきでしょう。監査基準委員会は、これを、“監査人が財務諸表の重要な虚偽の表示を見過ごして誤った意見を形成する可能性”と述べ、その構成要素として「固有リスク」「統制リスク」及び「発見リスク」の3つを挙げています。
まず、「固有リスク」とは、関連する内部統制が存在していないとの仮定の上で、財務諸表に重要な虚偽の表示がなされる可能性をいい、会社内外の環境の影響を受けたり、特定の取引や本来有する特性から生じるリスクです。景気の動向、会社の社会的信用などが固有リスクの要因になります。
つぎに、「統制リスク」とは、財務諸表の重要な虚偽の表示が、会社の内部統制によって防止又は適時に発見されない可能性をいいます。
最後に、「発見リスク」とは、会社内チェックシステム(内部統制)によって防止・発見されなかった財務諸表の重要な虚偽の表示が、実証手続きを経てもなお発見されない可能性をいいます。
ここで重要なのは、3つめはともかく、前の2つは会計士の眼力や努力だけでは防ぎきれないリスクであるということです。ゆえに会計士は、これらのリスクを一定の水準以下に抑えて適切な監査意見を述べられるように、リスクの程度を評価し、それにあわせて最適と思われる監査手続きを計画するのです。つまり、監査計画とは、監査につきもののリスクを最小限まで軽減し、監査という仕事を効果的かつ効率的にまっとうするための「監査戦略」の策定に他ならないのです。 |
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| 監査計画に盛り込むこと |
では、監査計画そのものを見ていきましょう。
監査計画は次の3つの項目から構成されています。
(1)監査の基本的方針
まず、事業内容の把握と上に述べた「固有リスク」の程度を評価します。また、内部統制の状況や有効性を評価して、内部統制に依拠して監査を進めることが出来るかどうかを判断します。
(2)内部統制の検証計画
つぎに、内部統制組織がきちんと整備され、運用されているかどうかを検証するための計画を立案します。今日では、コンピュータによる情報システムは不可欠の検証対象になっています。
(3)取引記録および財務諸表項目の監査手続き
「固有リスク」と「統制リスク」の程度を評価した上で、どのような監査手続きを選択し、いつ、どの範囲で実施するかを決定します。 これらの要件は、一時に行われるものではありません。実務上の順番で言えば、(1)監査の基本的方針と(2)内部統制の検証計画はほぼ同時期に立案され、(2)の実施結果を受けて、(3)取引記録及び財務諸表項目の監査手続きを立案することになります。 なお、監査計画は監査計画書として文書化されなければなりません。また、監査計画の前提としていた状況が変わったり、当初は見逃していたリスクに気づいた場合などは、監査計画自体を修正しなければなりません。
監査計画書が出来上がる頃には、そろそろ梅雨が明け、夏がすぐそこまで来ています。会計士がクライアントのオフィスを出ると、街は熱気のさなかです。 |
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*参考文献
『監査小六法(平成14年度版)』日本公認会計士協会篇 |
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