簡便(的)な会計処理(四半期財務諸表)2010.1.15 |
質 問
四半期財務諸表における「簡便的な会計処理」(簡便な会計処理)について、教えてください。
回 答
四半期財務諸表の作成のために採用する会計処理の原則及び手続は、四半期特有の会計処理を除き、原則として年度の財務諸表の作成にあたって採用する会計処理の原則及び手続に準拠しなければなりません。
ただし、四半期では、年度及び中間よりも開示の迅速性が求められていることから、四半期会計期間及び期首からの累計期間に係る企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する財務諸表利用者の判断を誤らせない限り、簡便的な会計処理によることができます。
1.簡便的な会計処理の具体例
企業会計基準第12号「四半期財務諸表に関する会計基準」の47項では、簡便的な会計処理の例示として、以下を挙げています。
(中間(連結)財務諸表作成基準で、簡便的な会計処理として既に認められている項目)
・棚卸資産の実地棚卸の省略
・減価償却方法に定率法を採用している場合の減価償却費の期間按分計算
・退職給付費用の期間按分計算
・連結会社相互間の債権債務の相殺における差異調整の省略
・連結会社相互間の取引によって生じた未実現損益の消去における見積り計算
(上記に加え、四半期財務諸表の作成において簡便的な会計処理として考えられる項目)
・一般債権の貸倒見積高の算定方法
・棚卸資産の収益性の低下による簿価切下げの方法
・原価差異の配賦方法
・固定資産の減価償却費の算定方法
・経過勘定項目の処理方法
・税金費用の算定方法
2.開示事例分析結果
簡便的な会計処理を適用した場合には、重要性が乏しい場合を除き、その旨及びその内容を開示する必要があります。平成21年6月第1四半期における任意の285社を対象とした分析の結果、簡便的な会計処理の開示状況は下表のとおりです。
| 項目 | 会社数 |
| 一般債権の貸倒見積高の算定方法 | 72 |
| 棚卸資産の評価方法 実地棚卸の省略 収益性の低下による簿価切下げ |
113 65 |
| 原価差異の配賦方法 | 4 |
| 固定資産の減価償却費の算定方法 定率法の場合の期間按分 予算に基づく年間償却予定額を期間按分 |
103 28 |
| 経過勘定項目の処理方法 | 12 |
| 法人税等並びに繰延税金資産・負債の算定方法 加減算項目や控除項目を重要なものに限定 繰延税金資産の回収可能性の判断 |
64 134 |
| 連結相互間の債権債務及び取引の相殺消去 | 4 |
| 未実現損益の消去 | 3 |
(出典:トーマツリサーチセンター会計情報Vol.399/2009年11月号「四半期報告書(第1四半期)の開示事例分析」)

