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監査報告書

2010.2.4

著者: トーマツ リサーチ センター 渡邊 陽子

質問

公認会計士(又は監査法人)が作成する監査報告書について、教えてください。

回答

公認会計士(又は監査法人)は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、「企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」(注1)をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査報告書にて意見を表明します。

監査報告書の原本は、有価証券報告書や計算書類等に綴じ込まれ、監査対象企業で保管されます。また、EDINET(Electronic Disclosure for Investors' NETwork、金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム)では電子化された監査報告書を閲覧することができます。

監査報告書には、以下の事項が記載されています。

1)

表題:
企業の内部監査人の監査報告書と区別するために、「独立監査人の監査報告書」とされます。(注2)

2)

日付:
監査報告書日付は、この日までの後発事象は監査対象となるという意味で重要です。

3)

宛先:
一般的に「取締役会」「監査役会」等の企業の機関宛とされます。

4)

署名:
当該監査業務を執行した公認会計士(監査法人の場合には業務執行社員)が自署し、自己の印を押します。1人の場合も、複数人の場合もあります。

5)

監査の対象:
監査の対象となった財務諸表の範囲が記載されます。法定監査の場合には範囲が決まっていますが、任意監査の場合には、監査契約により自由に設定することができます。なお、法定監査である会社法監査と金融商品取引法監査の対象範囲の相違として、例えば、会社法では作成が求められていないキャッシュ・フロー計算書があります。

6)

実施した監査の概要:
我が国において一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行った旨等が記載されます。具体的には、企業会計審議会より公表されている「監査基準」に基づいて監査は実施されます。

7)

財務諸表に対する意見:
経営者の作成した財務諸表が、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、「企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況」(注1)をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかが記載されます。

8)

追記情報:
正当な理由による会計方針の変更等、説明又は強調することが適当と監査人が判断した事項を記載します。

9)

利害関係:
「公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない」旨が記載されます。なお、公認会計士法に独立性に関する規定があり、例えば、「公認会計士又はその配偶者が、役員、これに準ずるもの若しくは財務に関する事務の責任ある担当者であり、又は過去一年以内にこれらの者であつた会社等」など、利害関係がある会社等の監査を行うことは禁止されています。

(注1)

キャッシュ・フロー計算書を監査対象に含まない場合には、「企業の財政状態及び経営成績」。

(注2)

金融商品取引法における内部統制監査制度の導入により、金融商品取引法監査においては、原則として、「財務諸表監査報告書」と「内部統制監査報告書」とを一体的に作成することとなりました。よって、その表題は「独立監査人の監査報告書及び内部統制監査報告書」とされ、「財務諸表監査」と「内部統制監査」の2種類の監査に関する事項が記載されています。

<参考:会社法監査における監査報告書の例>
(監査・保証実務委員会報告第75号「監査報告書作成に関する実務指針」より)
監査報告書の例