統制上の要点(キー・コントロール)2009.3.4 |
質 問
財務報告に係る内部統制における「統制上の要点」(キー・コントロール)について、教えてください。
回 答
経営者は、「全社的な内部統制」の評価結果を踏まえ、評価対象となる内部統制の範囲内にある業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす「統制上の要点」(キー・コントロール)を選定し、当該統制上の要点について内部統制の基本的要素が機能しているかを評価します。
例えば、販売業務プロセス1つをとってみても、業務プロセス内に非常に多数の内部統制が配置され、機能しています。経営者がこれらの全てを検証せねばならないとなると多大な時間を要します。そこで、多数の内部統制の中から財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす「統制上の要点」を選定し検証することにより、経営者による内部統制の評価が実施されることとなります。
統制上の要点の選定においては、まず、実在性、網羅性、権利と義務の帰属、評価の妥当性、期間配分の適切性、表示の妥当性という「適切な財務諸表を作成するための要件」を満たすことを目的とした場合に、各要件が満たされなくなる「リスク」を考えます。次に、そのリスクを十分に低減する内部統制を業務プロセスの中から識別していきます。
(選定時の考え方の例)売上計上プロセスの場合
| 適切な財務諸表を作成するための要件 |
要件が満たされなくなるリスク |
リスクを低減する内部統制 |
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実在性 |
未出荷商品の売上が計上される |
売上入力担当者は、倉庫担当者による出庫済印があることを確かめた上で入力する |
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網羅性 |
出荷済み商品の売上が計上されない |
日次で、出庫指図データと売上計上データとを照合し、差異がある場合には、差異内容を調査する |
同一リスクに対して、複数の内部統制が識別される場合もありますが、その場合は、より効果的な内部統制、あるいは、他のリスクも同時に低減する内部統制を「統制上の要点」とすることが効率的です。なお、リスクが存在するがそのリスクを低減する内部統制が既存の業務プロセスにない場合には、リスクの程度を検討の上、必要に応じて、内部統制を整備することになります。

