IFRS公開草案「金融負債に対する公正価値オプション」『会計情報』2010年7月号 |
国際会計基準審議会(IASB)は、2010(平成22)年5月、公正価値オプションに指定された金融負債に係る利得及び損失の表示に関する提案として、ED/2010/4「金融負債に対する公正価値オプション」(以下「ED」という)を公表した。
今回の提案は、金融商品の会計基準を簡素化し改善するIASB の計画の一部である。提案内容が最終基準となった場合、公正価値オプションの規定に従って、金融負債を損益を通じて公正価値で測定するもの(FVTPL)として指定する企業は、当該金融商品に関する自己の信用リスクの悪化による利得又は自己の信用リスクの改善による損失を損益として表示することができなくなる。その代わり、企業の自己の信用リスクの変動から生じる利得及び損失は、その他の包括利益(OCI)に表示される。この提案は、自己の信用リスクの変動の影響を損益として認識することは有用な情報を提供せず、企業が自己の信用リスクが悪化した時に、その企業の業績が後退した場合にはそれを実現させる能力が限定される利得が認識されることは直感に反するとのIASBに寄せられた批判に応えるものである。
このED が最終基準となった場合、IASB による、金融商品に関するIAS 第39号「金融商品─認識及び測定」を置き換える包括的なプロジェクトの最初のフェーズが完了することとなる(その他のフェーズである減損、ヘッジ会計及び認識の中止は、まだ最終基準とはなっていない)。最終基準化された規定は、現在IFRS 第7号「金融商品─開示」に従って要求される関連する開示を含め、IFRS 第9号「金融商品」に統合される。
本稿では、本ED の提案内容について概要を解説する。
※続きは添付ファイルをご覧ください。


IFRS公開草案「金融負債に対する公正価値オプション」