会計上の変更2008.9.1 |
質 問
「会計上の変更及び過去の誤謬に関する検討状況の整理」(以下、検討状況の整理)において導入された「会計上の変更」という概念と財務諸表の遡及処理の関係について教えてください。
回 答
検討状況の整理において会計上の変更とは、会計方針の変更、表示方法の変更及び会計上の見積りの変更のことをいいます。このように整理されたのは、遡及処理については、それが過去の誤謬に関して行われたものであるのか、専ら比較可能性を担保する会計情報を提供するために行われたもの(会計方針の変更、表示方法の変更等)であるかの区別が重要であると考えられたためです。会計上の変更、過去の誤謬と遡及処理の関係は、以下のように整理されています。
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検討状況の整理における用語 |
原則的な会計上の取扱い |
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| 会計上の変更 | ||
| 会計方針の変更 | 遡及処理する(遡及適用) | |
| 表示方法の変更 | 遡及処理する(財務諸表の組替え) | |
| 会計上の見積りの変更 | 遡及処理しない | |
| 過去の誤謬の訂正 | 遡及処理する(修正再表示) | |
ここで遡及処理とは、遡及適用、財務諸表の組替え又は修正再表示により、過去の財務諸表を遡及的に処理することをいいます。遡及処理する期間は、原則として過去の期間すべてを対象とし、遡及処理の対象となる事象がある以上何年でも遡って処理することとされています。ただし、過去に情報が収集されておらず、合理的な努力を行っても遡及適用による影響額を算定できない場合など、遡及処理が実務上不可能な場合の取扱いが定められており、例えば会計方針の変更の場合には遡及適用が実行可能な最も古い期間(これが当期となる場合もある)の期首時点で累積的影響額を算定し、当該期首残高から新たな会計方針を遡及適用することとされています。
一方積りの変更は過去の財務諸表に遡って処理しないこととされています。国際的な会計基準においても、会計上の見積りの変更は、新しい情報によってもたらされるものであるとの認識から過去に遡及処理せず、その影響は将来に向けて認識するという考え方がとられています。また、減価償却方法の変更など会計方針の変更を会計上の見積りの変更と区別することが困難な場合については、会計上の見積りの変更と同様に取り扱い、遡及適用は行わないこととされています。
国際的な会計基準では、企業が自発的に会計方針の変更を行った場合や財務諸表の表示方法を変更した場合には、過去の財務諸表を新たに採用した方法で遡及処理し、これを表示することが求められています。一方わが国では従来、財務諸表の遡及処理については商法や税法の制約から過去の財務諸表を遡って処理することはできないとされていました。しかし、平成18年5月に施行された会社計算規則により、過年度事項の修正を前提とした計算書類の作成及び修正後の過年度事項の参考情報としての提供が妨げられないことが明確化されたほか、会計基準のコンバージェンスに向けたプロジェクトにおいても過去の財務諸表における遡及処理は、特に優先して取り組むべき項目の1つとして位置づけられています。
※ なお、本検討状況の整理は公開草案に先立って公表されたものであり、適用時期については言及されていません。今後公開草案、会計基準の公表により、内容が変更される可能性があることに留意してください。
以上

