役員退職慰労金の打ち切り支給2008.3.13 |
質 問
最近、経営改革の一環として業績主義や確定拠出型の企業年金制度の導入など従業員に対する人事制度改革に併せて役員の報酬や退職慰労金制度の見直しを実施している企業が見られますが、役員退職慰労金制度廃止と退職慰労金の打ち切り支給の会計処理について教えてください。
回 答
事例から分析すると、株主総会での承認時期、支給の時期については主に以下のケースがみられます 。
| (1) | 制度の廃止に伴い、 定時株主総会で廃止時までの在任期間に対応する役員退職慰労金支給の決議を行い、支給(打ち切り支給)する。 |
| (2) | 制度の廃止に伴い、定時株主総会で廃止時までの在任期間に対応する役員退職慰労金支給の決議を行うが、実際の支給は役員の退任時とする。 |
| (3) | 制度は廃止するものの、当該廃止時点においては株主総会での承認決議を行わず、役員が退任する都度、定時株主総会で制度廃止時までの役員退職慰労金支給の決議を行い、支給する。 |
役員退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労金支給額を、貸借対照表上、役員退職慰労引当金として表示するか、未払金として表示するかに関しては、各社の役員退職慰労金の内規や株主総会での決議内容などの条件も考慮して判断することになります。役員退職慰労金制度の廃止をする場合の会計処理 は、監査・保証実務委員会報告第42号「租税特別措置法上の準備金及び特別法上の引当金又は準備金並びに役員退職慰労引当金等に関する監査上の取扱い」(日本公認会計士協会 平成19年4月13日改正)において 、以下のとおり示されています 。
| ケース | 会計処理 |
| 上記(1)(2) | 役員の退任時まで承認済の慰労金の支給を留保するケースにおいては、当該支払留保金額は、(金額確定)債務であると考えられるため、株主総会などでの金額確定後、実際に支払われるまで、原則として長期未払金(1年以内に支給される分は未払金)として表示する。(注) |
| 上記(3) | 制度廃止時には株主総会決議を得ていないことから法律上は債務となっていないため、役員退職慰労引当金として表示する。 |
(注) この場合は、個人別の支給額が確定していることが前提となると考えられます。株主総会で決議された事項が、退職慰労金支給の取締役会への一任のみで個人別の支給額が確定していない場合には、役員退職慰労引当金として表示されるものと考えられます。
以上

