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企業結合により受け入れた仕掛研究開発

2009.3.2

著者: トーマツ リサーチ センター

質 問

企業結合により受け入れた仕掛研究開発の会計処理について教えてください。

回 答

1.定義及び改正前会計基準における取扱い

ここでいう仕掛研究開発とは、研究開発の途中段階の成果のことを指します。企業結合により受け入れた仕掛研究開発について、改正前の会計基準では、取得対価の一部を研究開発費等に配分した場合には、当該金額を配分時に費用処理することとされていました(企業結合に係る会計基準 三2.(3))。研究開発費に配分する場合とは、取得企業における企業結合後の使途が以下に記載する研究開発費等に係る会計基準(以下「研究開発費等会計基準」という)の定めにより、研究開発費として処理すべき要件に該当する場合をいいます。

1) 取得企業において、特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に使用できないもの(研究開発費等会計基準 注解(注1))
2)取得企業が市場販売目的のソフトウェアを制作しており、その最初に製品化された製品マスターの完成までの費用、及び製品マスター又は購入したソフトウェアに対する著しい改良に要した費用に該当するもの(研究開発費等会計基準 注解(注3))

2.改正後会計基準における取扱い

平成20年12月26日に「企業結合に関する会計基準」など、組織再編に関連する会計基準等の改正が公表されていますが、その中に、企業結合等により受け入れた仕掛研究開発の会計処理の改正が含まれています。
改正前の会計基準における取扱いは、研究開発費はすべて発生時に費用処理するという研究開発費等会計基準に整合した取扱いでした。他方、国際的な会計基準においては、研究開発費の取扱いとの整合性よりも、企業結合により受け入れた他の資産の取扱いとの整合性をより重視して、識別可能性の要件を満たす限り、その企業結合日における時価に基づいて資産として計上することが求められています。後者の取扱いは、価値のある成果を受け入れたという実態を財務諸表に反映することになると考えられるため、改正後の会計基準では企業結合の取得対価の一部を研究開発費等に配分して費用処理する会計処理を廃止することとされました(企業結合に関する会計基準101項)。
なお、企業結合により受け入れた研究開発の途中段階の成果について資産として識別した場合には、当該資産は研究開発が完成した後、その後の使用実態に基づき有効期間にわたって償却処理されることになります(企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針367-3項)。

3.改正後会計基準の適用時期 

平成22年4月1日以後実施される企業結合及び事業分離等から適用します。ただし、平成21年4月1日以後開始する事業年度において最初に実施される企業結合及び事業分離等から適用することができるとされています。