Automotive Newsletter Vol.3 「情報」をめぐる主導権争いの始まり自動車業界 新時代の幕開け(2010.07) |
はじめに
これまでの自動車産業は、自動車メーカーを頂点にサプライヤーが連なるピラミッド産業構造を維持してきたが、昨今、取り巻く環境の変化を背景に、業界は大きな変貌を遂げようとしている。
既に、バリューチェーンの各領域で新しい競争は始まっており、自動車業界プレイヤーは、あらゆる事業領域において、新しい競争を余儀なくされている。そして、今後の主戦場は川下の情報領域となり、従来、スタンドアローンで成立してきた自動車は、情報通信網やエネルギー網といった社会ネットワークに接続される「端末化」が進展する。
情報領域は自動車バリューチェーンの主要な付加価値源となる可能性があり、自動車業界プレイヤーは将来を見据えた対応を迫られると考えられる。
- 情報プラットフォーム領域:自動車版OS(車載機・テレマ)覇権争い
これまで各自動車メーカー主導の下、システム構築がなされてきたテレマティクス領域にIT企業が参入しつつある。今後車載器領域においても、同様の流れが加速、IT企業が主導権を握る可能性がある。
- 交通情報:交通流・量制御
IT技術を活用して都市を流れる交通流・量を制御する気運が高まりつつある。この制御方法が一般化することは、自動車の機能・付加価値の一部が上位のレイヤーにシフトすることを意味しており、交通領域において、自動車業界プレイヤーが利益を享受するためには、IT企業との協業、または競合が不可欠となる。
- エネルギー情報領域:EV/PHVの効率的な充電
家庭電力消費管理におけるIT化の流れは、電力を動力源とするEV/PHVについて、エネルギー補給に関するIT管理・制御と通じて、自動車業界を巻き込んでいくこととなる。EV/PHVの効率的な充電を実現するためには、自動車業界プレイヤーと、家庭電力を制御するIT企業、両者の競合・協業は避けて通れない。
- 新しい情報サービス:ライフログビジネス
IT業界では「ライフログビジネス」の検討が盛んになっている。位置情報や移動履歴など自動車から収集される多様な情報も、広義にはライフログに含まれる。これらの情報がITとの融合により広く活用されることになれば、無限の新サービスが生まれる可能性がある。
自動車業界プレイヤーの取るべき対処法
情報領域においては、自動車に精通した自動車業界プレイヤーとIT企業が混在し、せめぎあっている。そのような状況の中で、自動車各社は以下の対処をすべきであろう。
- 守る領域/攻める領域を明確にする
- 競争領域/協調領域を明確にする
- 顧客ニーズを起点とする
以上
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