2009.01.13 「メディア・デモクラシーの現状」調査についてデロイトが日本を含む5カ国で調査を実施。メディア消費で国を超えた共通性を持つ “ミレニアルズ世代”は テレビよりパソコンを楽しんでいる |
当資料は、1月7日(現地時間)にデロイト トウシュ トーマツが発信した内容に基づき、米、英、日、独、ブラジルの五ヶ国で行った「メディア・デモクラシーの現状」に関する調査結果について、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社が1月13日に発表したものです。
*『メディア・デモクラシーの現状』とは消費者がメディア、娯楽、情報とどのように関わっているかの現状把握、また将来、その好みがどのように変わりうるかを予測するためデロイトが2007年より毎年実施している市場調査である。近年、最新テクノロジーの発展に伴う消費者行動の変化が著しいことから当調査の意義は高まっており、米国では多数のクライアント企業に評価されている。第3回では米国のほか、初めて日本、英国、ドイツ、ブラジルの消費者も対象に調査を行った。
デロイト トウシュ トーマツ(以下、デロイト)は『メディア・デモクラシーの現状』調査を実施した。同調査は今回で3回目だが、初めて5カ国で行われた。日本、米国、英国、ドイツ、ブラジルの14歳から75歳の消費者8,800人以上を対象に、オンライン、オフラインの広告の影響、ネット上の一般ユーザー作成コンテンツの増加、娯楽対象としての携帯電話の利用拡大など、さまざまなテーマについて消費者の動向を探った。主要調査結果は1月8日(現地時間)、ネバダ州ラスベガスで開催される世界最大の家電見本市「2009インターナショナル・コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で発表される。
同調査によると、ミレニアルズ世代の消費者の4分の3が娯楽の対象としてテレビよりパソコンをよく利用している。ミレニアルズ世代は14歳から25歳までの年齢層で、メディア消費の嗜好と消費行動パターンにおいて国や文化を超えた強い共通性をもつ極めて貴重な世代である。彼らこそ、グローバル共通で“新し物好き”の世代といえる。
ミレニアルズ世代は、調査対象5カ国のすべてにおいてゲーム、音楽、交流目的のインターネット利用が最も活発である。この世代の80%が日常的にネット上で検索を行い、音楽をダウンロードして聴いているほか、73%が日常的にソーシャル・ネットワーキング・サイトやチャットルーム、掲示板などを通じてネット上で交流している。さらに、携帯電話を娯楽用プラットフォームとして使用している比率は、消費者全体では平均33%にすぎないが、この世代では59%と過半数に達している。一方、この世代がテレビを視聴する時間は他の世代の3分の2にとどまる。
「ミレニアルズ世代がデジタル・コンテンツ、さらにはテクノロジー全般の進化に世界的なレベルで影響を与えているのは明らかである。」と、デロイトのプロダクト・イノベーション担当ディレクター(Director of Product Innovation)、エド・モラン(Ed Moran)は指摘する。「この消費世代はインターネットとともに育った初の世代であり、デジタル・メディアを好むという点で国境と文化を超えた共通項をもっている。このため、世界市場を相手にしている企業への影響は計り知れない。」
また、「ミレニアルズ世代の影響が強まっていることは明らかである。彼らは業界全体、他の世代のメディア消費特性の双方に影響を及ぼしている」とケン・オーガスト(Ken August:デロイト・ヴァイス・チェアマン(Deloitte Vice Chairman)兼USメディア・アンド・エンターテイメント・リーダー(U.S. Media and Entertainment Leader))は指摘する。「マーケティング担当者はこれまでブーマー世代(43~61歳の最も可処分所得が多い世代)を重要視してきた。
しかしながら、現在起きている経済の急激な変化がミレニアルズ世代の影響力に今後どの程度インパクトを与えるか予測することは難しいものの、ミレニアルズ世代への注目度が高まるとともに、伝統的なマーケティング手法はかなり見直されることになるだろう。」
この他の主な調査結果は以下の通り。
5カ国すべての消費者が、商品購買に影響を受けるのはテレビ広告と答えている。これに準じるのが雑誌、オンライン、新聞の広告で、ラジオ広告の影響力は5番目にとどまっている。調査では、オンライン広告はドイツ(57%)、日本(61%)では2番目に影響力が大きく、米国(48%)、英国(45%)、ブラジル(45%)では雑誌広告に次ぐ3位につけている。
比率こそ低いものの、すべての国の一定の消費者が、広告形態の中で携帯電話の広告から影響を受けると答えている。ブラジルではこの回答が19%と5番目に高かった。日本では、ブログの広告に最も影響されると答えた比率が13%で5位だった一方、英国ではビデオ・ゲーム、ソーシャル・ネットワーキング・サイトの広告が9位(6%)だった。ドイツでは、看板や屋外広告の影響が大きいと答えた消費者の比率が21%で6位だった。インターネット広告では、5カ国すべてで、ネット広告形態の中における検索エンジンの結果とバナー広告の影響を受けるとの回答が最も多かった。
「広告主にとっては最良とも最悪ともいえる時代だ」とモランはいう。「消費者にメッセージを届けるのに、これほどわかりやすい方法がそろっている時代はない。テレビ、オンライン、雑誌、ソーシャル・ネットワーキングはどれも強力なプラットフォームだが、これらの媒体を効果的に活用するためには、企業は台頭してきた消費者の好みや行動パターン、新技術を理解したうえで、消費者を絞り込むにはグローバルなレベルで新しい戦略を実行しなければならない」。
携帯電話は、エリート・ビジネスマンのステータス・シンボルから、今では誰もが身につける多機能のアクセサリーにまで進化した。5カ国すべてで消費者の3分の1が、携帯電話を楽しむための機器として使っていると回答している。この比率はブラジルでは50%近くにのぼり、日本は34%、英国は33%、米国は32%、ドイツでも26%にのぼる。各国ともカメラ、テキスト・メッセージ機能が最もよく利用されているが、日本だけはテキスト・メッセージより電子メールの利用度がはるかに高い(よく使う、もしくはときどき使うと答えた日本の消費者は、テキスト・メッセージの33%に対して電子メールは88%)。
すべての国で、消費者は携帯電話を使ってプロが作成したコンテンツ(テレビ、映画、ニュース)を見ているほか(日本では33%)、ユーチューブのような一般ユーザー作成動画を見ている(英国と米国では20%)。新し物好きのミレニアルズ世代は、携帯電話で話をするだけではなく、テキスト・メッセージや動画、ゲームを楽しんだり、音楽をダウンロードして聴いたり、ソーシャル・ネットワーキングをするなど、多くの機能を活用する主要層となっている。
デジタル・コンテンツに対する消費者の需要、すなわちさまざまな場所から、さまざまなプラットフォームを使って、多様なフォーマットでデジタル・コンテンツを取り込みたいという需要は高まる一方である。このニーズは、新しい流通基盤が構築されるに伴い、ハイテク・メーカーの新たな収益源になるとみられている。
5カ国すべての消費者は、映像を見るときには依然、テレビを最もよく利用するが、パソコン、携帯電話、小型携帯端末の人気も高まっている。消費者はこうした端末や機器で動画を見るだけではなく、テレビ番組の視聴や音楽のダウンロードもしており、こうしたコンテンツをどの機器にもスムーズに移せるようになりたいと考えている。ブラジルでは回答者の75%がそうなればいいと回答しているほか、米国、日本の49%、英国の44%、ドイツの31%もそのように望んでいる。
こうしたコンテンツの多くにアクセスしようと、消費者はかなりの時間をインターネットに費やしている。ごく一般的な1週間(7日間)に、ドイツの消費者は個人的興味や仲間との交流のためだけに週当たり11.3時間をネットに使っている。米国では12時間、英国では13.2時間、日本では16.4時間だが、驚くべきはブラジルである。ブラジルの消費者は週当たり約9.8時間をテレビ視聴に使っているが、個人的興味やネット上での交流のために、実にその倍近い19.3時間をインターネットに費やしている。
デロイトの第3回『メディア・デモクラシーの現状』には、今回初めて実施された5カ国調査の結果が盛り込まれている。調査は、デロイトのメディアおよびエンタテインメント業界担当部門の委託を受けた独立調査会社のハリソン・グループが、インターネット調査で2008年9月17日から10月20日まで、日本、米国、英国、ドイツ、ブラジルで実施した。調査対象は年齢14歳から75歳までの消費者8,824人。結果の許容誤差はプラスマイナス5ポイント。デロイトの『メディア・デモクラシーの現状』調査の詳しい内容については、http://www.deloitte.com/us/realitycheckを参照されたい。