近年、多くの日本企業は、市場のグローバル化や成熟化に伴う業界再編や、事業ポートフォリオの見直し等の大きな変革を経験しています。技術革新やビジネスモデルの生成・淘汰のスピードが加速化し、自社を取り巻く環境が絶えず変化する中、経営者は、自社の競争力強化と継続的な成長に向けて、如何に効果的に経営資源の全体最適化を図るか、その手腕を問われています。
経営資源の全体最適化にあたっては、まず自社にとってのコア領域(付加価値の源泉として、重点的に経営資源を投下する領域)とノンコア領域の識別が不可欠となります。次に、限りある経営資源の有効活用を前提とすると、ノンコア領域において、標準化・簡素化(重複やムダの排除)・効率化(自動化・集約化・外部委託の利用)を追求することで、余剰資源を生み出し、コア領域に振り向けることが必要になります。
ただし、これは言うほど簡単ではありません。将来の事業見通しの不透明感が増す中、何を自社のコアと認識すべきかの判断自体、その難易度は増しています。またノンコア領域の標準化・簡素化・効率化の取組みは、近年これまでの常識を超える事例(例 : 異業種間での共同経営型シェアードサービス化、ライバル企業同士の共同配送、等)が発生する一方、以下の失敗事例に示す様々な阻害要因が発生しがちで、適切な施策を実行できずに、結果として経営資源の全体最適化につながらないケースが多いのが事実です。
【よくある失敗事例】
・担当者は自身の所属する部門の利害の視点で見てしまうため、局所的な積上げ式の改善に止まる傾向が強い
・何をどこまで追究すべきか、どこから着手すべきかが分からず、取組みが進まない
・従来の社内常識から脱却出来ず、或いは既得権の存在が原因となり、取組みが頓挫してしまう
上記のような失敗を回避するには、経営者と現場のコミュニケーションを通じて取組みの目標を設定し、目指す姿を全社的に共有すること、外部のリソースを含め然るべき権限・経験を有した人材を起用し、常に全体最適の視点をもって実行に当たることが必須となります。
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経営資源の全体最適化PDCAサイクル
