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GHGプロトコル

 

1.「GHGプロトコル」とは?

GHGプロトコル(The Greenhouse Gas Protocol)は、World Resources Institute(WRI)とWorld Business Council for Sustainable Development(WBCSD)が中心になり、世界中の企業、NGO、政府機関等が参加して温室効果ガス/気候変動に関する国際スタンダードや関連ツールを開発するイニシアティブです。
 一般に「GHGプロトコル」という場合には、企業/組織における温室効果ガス(GHG)の算定・報告・検証に関する国際スタンダードとして有名な「The Greenhouse Gas Protocol – A Corporate Accounting and Reporting Standard」(2004年改訂版)を指すことが多いでしょう。
同スタンダードが規定する企業活動のGHG算定に関して、以下の通りご紹介します。

「GHGプロトコル」における組織境界と連結基準

企業が温室効果ガス(GHG)の排出量を算定する場合、どの範囲(組織境界=バウンダリー)までを算定対象に含めるかは大きな問題になります。
単独の法人としての算定なのか、子会社・関連会社を含めた企業グループを連結した算定範囲なのかによって、GHG排出の絶対量はもちろん企業のGHG算定にかかる負担も大きく異なってきます。
組織境界の連結方法に関して、GHGプロトコルでは次のような基準を示しています。

「出資比率基準」 対象の事業への出資比率によりGHG排出量を算入
「支配力基準」 支配下にある場合には対象事業のGHG排出量を100%算入
一方、支配下になければ出資していてもGHG排出量算入は0%

 

なお、「支配力基準」はさらに次の2つに分類されています。

〈財務支配力〉 事業活動から経済的利益を得る目的で財務方針・経営方針への決定力行使
〈経営支配力〉 対象事業者に対して自らの経営方針を導入・実施する完全な権限の行使

 

「GHGプロトコル」における事業活動のスコープ

GHGプロトコルでは企業の事業活動における直接あるいは間接的な温室効果ガス(GHG)の排出形態により、次の3つの「スコープ」に分けて概念を整理しています。

「Scope 1」 企業活動からの直接的GHG排出
(例:工場における重油の燃焼。作業車両からの排出)
「Scope 2」 企業活動でのエネルギー使用による間接的GHG排出
(例:工場・事務所での電力エネルギーの使用)
「Scope 3」 企業活動範囲外での間接的GHG排出
(例:原材料の調達、物流や流通、製品の使用、廃棄等での排出)

 

各種国際スタンダードへの影響

GHGプロトコルは世界で最も影響力の大きな温室効果ガス(GHG)排出・削減量の算定・報告・検証ガイドラインとされ、我が国はもちろん数多くの国々においてGHG算定・報告スタンダード策定や開発のベースとして参照されて来ています(図1参照)。

【図1】GHGプロトコルの各種スタンダードへの影響(例)

クリックすると拡大します
GHGプロトコルの各種スタンダードへの影響(例)

 

2.新スタンダードと企業活動への影響

企業に求められる温室効果ガス(GHG)の排出・削減量の把握の範囲は益々広範になりつつあり、サプライチェーン/スコープ3に対象を拡張した2つの新しいスタンダードも現在開発の途上にあります。詳細は「サプライチェーン/スコープ3のCO2(温室効果ガス)管理」のページをご参照ください。

現在開発中の新スタンダードと既発行の主要GHGプロトコルとの相関関係は下の図2のようになります。

【図2】GHGプロトコル スタンダード相関関係

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GHGプロトコル スタンダード相関関係

『カーボンマネジメント』の変革

企業活動のサプライチェーンにおけるGHG算定はもちろん容易なものではありませんが、否応なしに国境を越えて企業の『カーボンマネジメント』の変革を促すことになります。
その一方で日本企業は自社組織やグループ企業はもちろん、サプライチェーンでのGHG管理にも世界に先駆けて取り組んで来ており、次のようなアドバンテージがあると考えられます。

  • 省エネ法/温対法等への対応によるGHG管理の基礎的能力
  • サプライチェーンにおける品質管理のノウハウとGHGへの応用力
  • 省エネ法/温対法におけるフランチャイズチェーン単位でのGHG報告
  • 省エネ法/温対法における特定荷主として輸送に関するGHG報告
  • 省エネ効率の高い製品の全世界への供給

国際標準化動向と企業への影響

世界的に影響力の大きなGHGプロトコルがサプライチェーンGHG管理のスタンダードを策定することは、これまでの例からもISOにおける標準化や各国・自治体制度等への様々な影響が考えられます(図3参照)。
CDP(Carbon Disclosure Project)等に見られるように、ステークホルダーからの気候変動情報開示のニーズは国際的に年々高まって来ています。自社組織のみならず、グループ企業(連結)やサプライチェーンまで含めた温室効果ガス(GHG)排出量の算定と情報開示要求への対応は、これからの企業活動において重要な経営課題と位置付けられつつあります。

【図3】国際標準化動向と企業への影響

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国際標準化動向と企業への影響
(株)トーマツ審査評価機構にて分析

【関連テーマ】
リンクカーボンマネジメント
リンク国内GHG検証

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【外部参照サイト】
ExternalURLGHG Protocol
ExternalURL自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)
ExternalURLThe Climate Registry
ExternalURL Carbon Disclosure Project/CDP Japan

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