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IFRS導入のキーポイント

多くのメリットが期待される一方で、導入にあたって、クリアしなければならない課題もあります。検討すべき項目には次のようなものがあります。

グループ アカウンティング ポリシー マニュアルの策定

IFRSは、米国基準との比較で“原則主義”と言われています。すなわち、詳細な適用基準を設けずに基本的な考え方を、より重視する会計基準です。そのため、利用者は、具体的な個々の事象に対して、原則に照らした判断を求められることになります。このこと自体が、IFRSの世界標準たるべき要素でもありますが、導入する企業としては、グループ各社で判断にばらつきが生じないように、「グループ アカウンティング ポリシー マニュアル」の策定が必要となります。
策定にあたっては、各国の税制、各種規制ルール、商慣習にも配慮する必要があり、難しい作業になりますが、その一方で、この「グループ アカウンティング ポリシー マニュアル」を利用して、グループの結束、公正な業績評価のための指標等多くのものが得られます。

トップマネジメントおよび関係各部門の関与

IFRS導入プロジェクトは、経理部門に止まらず、企業グループ全体による取り組みになりますので、協力なリーダーシップのもとでなければ成功しません。会社組織間の意思統一を徹底するためにも、トップマネジメントの積極的な関与が不可欠です。
また、IFRS導入プロジェクトは、内部統制、財務会計・業務システム、管理会計等、検討すべき領域が広範に及ぶことから、経理部門以外に、税務、財務、法務、人事、ITシステム、経営企画など、多くの部門からのプロジェクト参加が必要です。

経理部員の育成

経理部員にとってIFRS関連知識の習得は、困難を伴う問題ですが、同時に、IFRS導入は、グループ全体の経理要員の育成プログラム見直しやグローバル化の契機となり得ます。これまでは、各拠点で独自で行われてきたトレーニングを、グループ内統一の教材を使って均一的に実施することによる、グローバル人材の育成、人材交流の可能性拡大等により、あらたな育成プログラムが可能になるためです。

十分な準備期間の確保

IFRSの初度適用においては、比較財務諸表期間を含め、2年分の財務諸表と、移行日時点(IFRSによる開示開始年度の前年度の期首)の財政状態計算書を作成しなければなりません。それらの財務諸表を無理なく確実に作成できる状態にすることを目指して、プロジェクトを計画する必要があります。多くのグループ会社や複数の事業を持つ企業には、取り組むべき課題がより多く存在します。
また、IFRS導入を単に制度への対応とは考えず、IFRS導入のメリットを企業経営に生かすのであれば、その取り組みに充分な時間をかけるべきでしょう。こうした点を総合的に検討し、できるだけ早期にPhase1(調査・分析フェーズ)を開始するのが望ましいと考えます。

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