IFRSとは国際会計基準審議会(IASB)が設定する会計基準です。2005年に欧州連合(EU)が、域内上場企業に対して採用を義務付けたことに端を発して以後、大きなうねりとなって世界各国に波及し、現在では100ヶ国以上で採用されています。企業活動と投資活動がグローバル化する中で、世界共通の尺度となる高品質で単一の会計基準が求められており、IFRSはこうしたニーズを満たす存在です。

※1:現時点で中国はIFRSの適用を要求も容認もしていないが、香港市場においては、IFRSの適用が容認されているという観点から該当国に含めている。
※2:IFRSの適用が、2011年11月に承認され、2012年よりIFRSに基づく連結財務諸表の作成が上場会社、銀行、保険会社に対してのみ要求される予定である。
米国では2008年11月にSECが米国企業に対するIFRS導入に向けてのロードマップ案を公表しており、また、2011年7月より導入方法等に関する意見聴取が始まっています。日本においても、2009年6月に金融庁から「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」が公表され、すでにIFRSの任意適用は認められています。また、2009年7月には企業会計基準委員会(ASBJ)を中心に関係諸団体が連携しIFRS対応会議が発足、日本経済団体連合会を中心としたIFRS導入準備タスクフォースもスタートしています。2011年6月からは、企業会計審議会において日本におけるIFRSの強制適用時期等に関する議論が再開されています。
IFRSをめぐる日米の動き

グローバルに事業展開や資金調達を行っている企業にとって、IFRSによる財務諸表は、比較可能性等の面から有用性が高いものと思われます。「グローバルでのIRを重視している」「海外での資金調達のニーズがある」「海外での事業比率が高い」「外国人持株比率が高い」」「BRICs等の新興国への依存が増えている」企業は、IFRS導入によって以下のようなメリットがあります。
投資家やアナリスト等のステークホルダーに対し、日本基準よりもグローバルスタンダードとしてのIFRSを用いた財務報告を提供することにより、財務報告の国際企業間の比較可能性を向上させることができるので、投資家やアナリストへの説明が明瞭となり、理解が得られやすくなります。
また、海外市場での資金調達手法を多様化させることが可能となります。
ほとんどの在外子会社がIFRSに移行した現状においては、親会社がIFRSを導入することによって、会社としての統一的な財務報告制度を確立できます。その結果、連結財務諸表作成プロセスの効率化が期待できます。
また、内部統制の局面においては、会計基準が共通となり親会社からの統制が働きやすいというメリットもあります。
具体的には以下のような点があげられます。
全世界で同一の基準によって連結財務諸表が作成されることとなり、会計数値と連動性のある業績管理の指標が世界中のグループ会社で均一化、単一化し、より効果的な業績管理が可能となります。
クロスボーダーM&Aを行う場合、取引当事者が共通の会計基準を適用していることにより、デューデリジェンス手続き等の効率性が増し、それによりM&Aの意思決定をより迅速化できます。
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