近年の国際取引の増加と内容の複雑化を背景に、税務調査において事実認定や税法解釈に関して、調査官と納税者の間で見解が大きく食い違うケースが増えています。調査官は通達を拠り所にしますが、通達の解釈が正しいとは限りません。我が国は租税法律主義を柱としており、税法の解釈・適用に疑義がある場合には、司法判断を仰ぐことが予定されています。
従来、我が国では税務訴訟の件数は比較的少なく、また、納税者が税務訴訟で勝つことは極めて難しいといわれてきました。しかし、最近では、訴訟の結果課税が取り消される割合が上昇しています。その要因として、税務に詳しい裁判官や弁護士が増えてきたことが挙げられるかもしれませんが、まだその数は足りないといわれています。
こうした中、一連の司法制度改革の一環として、平成14年に施行された改正税理士法により、税理士補佐人制度が創設されました。これにより、税理士補佐人が訴訟代理人である弁護士とともに出廷し、必要に応じて陳述を行うことが可能になりました。税務の専門家である税理士と法律・訴訟手続きに詳しい弁護士が協働することにより、納税者側の主張・立証能力が格段に向上し、納税者の勝訴割合が高まることが期待されています。また、より長期的な観点からは税務訴訟がより身近なものになり、税法解釈に関する議論が活性化し、我が国の税制の発展に資することも期待されています。