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QI制度導入の経緯と概要

1997年10月14日、米国内国歳入庁(The Internal Revenue Service 以下「IRS」)は、内国歳入法第1441、1442、1443条に規定する米国非居住者・外国法人に支払われる米国源泉所得に対する源泉徴収に関して、QI規則を発表するとともに、2000年5月15日には修正規則を発表し、従来適用されてきた規則の抜本的な見直しを実施しました。両規則(1997年に採択されたQI規則および2000年に発表された修正規則。以下「QI規則」)は、実行可能でかつ有効な源泉徴収規則を導入しようとしたIRSの長年にわたる努力の産物といえます。また、QI規則の導入に関するガイドラインとしてIRS通知2001-4が公表され、QI規則に準拠した取り扱いが2001年1月1日から開始されました。

その後、日本でも200社を超える金融機関がIRSとQI契約を締結し、日本の投資家がQI制度に基づく米国源泉徴収の適用を受けています。このQI制度は、2001年の取り扱い開始以来7年間で制度を改正する通達も数多く出され、二度のQI外部検証、QI契約の更新等を経て、より充実したものとなっています。

また、2003年11月7日には新日米租税条約が締結されており、新租税条約に伴う軽減税率の変更や、軽減税率を適用できる居住者の明確化等、QI制度にも影響を与えています。その他にもWP/WT制度の導入(※注1) や、「2004年米国雇用創出法」によるRIC(※注2) 、REIT(※注3)からの分配についての源泉徴収規則の変更等により、QI制度も少なからず影響を受けています。

QI規則施行日

QI規則は、2000年12月31日以降に行われる支払いについて適用されています。

QI規則の主要な目的

  • 米国居住者の迂回投資による租税回避行為の阻止
  • 租税条約が締結されていない国の居住者が租税条約の居住者を装うことによる軽減税率の不当な適用の阻止

源泉徴収義務

一般に、QI規則は、米国源泉の利子・配当あるいはその他のFDAP所得(※注4)を海外の投資家に支払う者に最終受益者の本人確認書類を入手・保管することを義務づけています。最終受益者の本人確認書類がない場合は、当該支払者は推定ルールに基づき、30%あるいは28%(※注5)の税率で源泉徴収を行う必要があります。
一方、海外の金融機関から顧客の情報を米国に開示することは諸外国の法律に反するとの反論があり、その対応策として、適格仲介人制度(「QI制度」)という概念が考案されました。IRSとQI契約を締結した海外の金融機関を通じて米国投資をする投資家は、身分証明を課税当局や源泉徴収義務者に(外部検証を行う検証人を除く)開示することなく、非課税あるいは軽減税率の優遇措置を享受することが可能となりました。QI制度により、次の者は、非課税あるいは軽減税率の恩恵を享受することが可能となっています。

  • 適切な本人確認書類(様式W-8等)を米国源泉徴収義務者に開示した外国最終受益者
  • QIを通じて米国投資を行う外国最終受益者

※注1:Withholding Foreign Partnership / Trust: 源泉徴収外国パートナーシップ/信託
※注2:Regulated Investment Trust: ミューチュアルファンド等の適格投資会社
※注3:Real Estate Investment Trust: 適格不動産投資信託
※注4:FDAP所得 =“Fixed or Determinable, Annual or Periodical”所得とは、一定額または予測可能で、毎年または定期的な所得。種々の投資所得(利子、配当金、賃貸料、ロイヤルティー等)がこの範疇に入る。
※注5:受取人が外国(法)人と推定される場合には30%、米国(法)人と推定される場合には28%の源泉税率が適用される。

 

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